小5国語「次への一歩|活動報告書」指導アイデア
教材名:「次への一歩 ―活動報告書」 光村図書
指導事項:B「書くこと」ウ
言語活動:イ
執筆/福岡県公立小学校教諭・片山隆洋
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
文章全体の構成の効果を考え、事実と感想、意見などを区別するとともに、目的や意図に応じて、簡単に書いたり詳しく書いたりする力を育成します。
②言語活動とその特徴
本単元には、「活動計画に沿って、活動したことを報告する文章を書く」という言語活動を位置付けます。学校生活で、子供は係活動や委員会活動を行っています。 そこでの活動をより主体的に行うことができるように、本単元では「活動の計画―実行(報告)―考察」という構成の文章を書きます。
その際、実行(報告)と考察とを分けて、まとまりを意識して書くようにすることが大切です。活動の経過などでは事実の記述を、成果や今後の活動では意見・感想の記述を中心に書くことの大切さを、文末表現に注意することはもちろん、友達との対話も通して学ぶようにしていきます。
報告文は、日常の学校生活や他教科との関わりが大きいものです。活動報告書を書くことは、今後の実生活においても、活動を見直したり充実させたりするために役立つものだと考えます。
単元の展開(10時間扱い)
主な学習活動
第一次(1~3時)
①教科書90~91ページの作例を読んで感想を交流し、活動報告書を書く学習課題を設定する。
【学習課題】事実と考えを区別して、活動を報告する文章を書こう
②教科書90~91ページの作例を読んで、活動報告書の構成や内容について話し合う。
→アイデア1 主体的な学び
③報告書にまとめたい活動を決めて、学習計画を立てる。
第二次(4~8時)
④報告書の構成に合わせて、書く事柄を集める。
⑤教科書90~91ページの作例を読んで、書き表し方の工夫を話し合うとともに、自分の集めた材料を見直したり、友達と見合ったりする。
→アイデア2 対話的な学び
⑥報告書の構成メモをつくる。
⑦⑧構成メモを基に下書きを書く。
第三次(9~10時)
⑨推敲の観点を確かめ合い、活動報告書を推敲・清書する。
⑩活動報告書を読み合い、感想や意見を交流し、学習をまとめる。
→アイデア3 深い学び
アイデア1 学習のゴールを明確にし、見通しをもって学習するための導入の工夫
・二年生……………観察記録・報告文
・三年生・四年生…調べて得た情報を基に、結果を考察する調査報告文
五年生の子供は、これまでに書く学習をしてきています。しかし、活動を報告する文章としてまとまった形で書く経験は、本単元が初めてになります。これから書いていく文章が、どのようなものなのかがわからないと、戸惑ってしまう子供がいることが予想されます。
そこで、教科書90~91ページの作例を読み、何がどのような構成で書かれているのかを話し合い、活動報告書の特徴を簡単に捉えておきます。このような場を設定することで、学習のゴールが明確になり、主体的に学習することへとつながります。
また、話し合いを通して、活動(事実)だけを書けばよいのではなく、考えたこと(意見・感想)を書く必要性や失敗したことも、大切な材料であると気付くことができるはずです。
このような気付きは、取材・構成・記述の場面においても、見通しをもって学習することにつながります。
【活動報告書の形式~教科書の作例~】
アイデア2 集めた材料を友達と見合う、対話の場の設定
①詳しく書く部分と簡単に書く部分
②事実と意見・感想の書き分け
③活動内容と考えたこと・今後の活動のつながり
イラスト/横井智美
『教育技術 小五小六』2019年7/8月号より