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4年3組学級経営物語(2)

2019/4/12

学級経営物語タイトル

4月①「学級づくり」にレッツ・トライだ!

文/濱川昌人(よりよい学級経営を考える大阪教師の会)
絵/伊原シゲカツ

新任で4年3組を任されることになった渡来勉先生。心の中では理想の教師像を描いているけれど、 4月の学級開きにあたって不安もいっぱい。はたして、学級経営は無事にこなせるのでしょうか!?

<登場人物>

トライ先生
トライだ先生(渡来勉/わたらいつとむ)
主人公。教職1年目。教師になる熱意に燃えて、西華小学校に赴任。 やる気とパワーは人一倍あるものの、時には突っ走り過ぎるのが玉にキズ。しばしば飛び出す口癖から「トライだ先生」と 呼ばれるようになる。4年3組担任。
イワオジ
イワオジ先生(大河内巌/おおこうちいわお)
教職20 年の経験豊富な学年主任。4年1組担任。一見いかついが、 温かく見守りながら的確なアドバイスをしてくれ、 頼れる存在。ジャグリングなど意外な特技も。
ゆめ先生
ゆめ先生(葵ゆめ/あおいゆめ)
教職3年目。4年2組担任。新採のトライ先生を励ましつつも一 歩リード。きまじめな性格で、ドライな印象を与 えてしまうことも。音楽好きでピアノが得意。

4年3組学級経営物語

学級生活の「基盤となる考え方」とは

「最近いつも騒がしいし、ケンカが多いんです。始業式の頃は、絶好調だったんですけど…」 

新学期早々の職員室。4年3組担任の渡来勉先生は、学年打合せ会で悩みを打ち明けました。

人生初の学級担任は、戸惑うことばかり。

「私も随分苦労したわ。 “ 学級づくり”では…」

そう呟いた少し先輩の葵ゆめ先生は、2組担任。

一組担任で学年主任の大河内巌先生は、二人の様子を見て打合せ簿を静かに閉じました。

「今日は、学級づくりについて語り合おう…」

「まだまだ自分中心の子どもたちが多いんだ。4年生は…」*ポイント1

学級づくりについて語り出した主任。慌ててメモする渡来先生。

ポイント1
小学校時代“ど真ん中”の4年生。まだ幼さが残っていますが、幼児期から少年期への著しい成長が始まる時期。過渡期の急成長に驚かされることもあるでしょう。でも、それゆえに支援・援助が必要な時期なのです。ど真ん中世代の発達的特徴や実態、家庭や地域の影響などをしっかり把握し、適切に指導しましょう

「だから、日頃の集団生活や学習では、相手や全体のことを考えて行動する。そして、一人ひとりの気持ちや状況を大切にして思いやる。人としての基本を体験的に学ばせ、彼等自身の自主的な学級づくりの基盤とする必要があるんだ」

遠慮がちに、葵先生も話し始めました。

「学級生活でのルールやマナーの指導も大切。してはダメなこと、なすべきことなどをきちんと教えて“ 学級のスタンダードな考え方”を定着させていくんですよね」*ポイント2

『注意するだけじゃ、ダメなんだなぁ…。よーし、明日から学級スタンダードにトライだ』

メモをしながら、ブツブツ独り言の渡来先生。

ポイント2
学級づくりの最初の段階では、担任がリーダーシップを発揮して、子どもに望ましい集団活動を体験的に学ばせていきます。学習でも、スポーツでも、まず基礎基本を身に付けることが上達のポイントです。先生が先頭に立って集団活動を進めることで、学級内にルール遵守の雰囲気や行動規範が生まれます。これが「学級のスタンダード」な考え方で、学級内に信頼関係も芽生えていきます。

「担任の重要な仕事ですもの。今年はしっかり指導しているつもりです」

少し苦笑いの葵先生。

「2組は順調そうだね! 苦労した成果だよ」

嬉しそうに、主任は微笑みました。

「学級目標」づくりにトライだ!

「では次だ。集団活動には目標が必要だね。さて質問。学級としてめざすべき目標とは何か? そして、それを達成する手立てとは…?」

「ウーン…」

思わず下を向く渡来先生。

「学級目標をつくり、実現をめざします!」

葵先生が、しっかりと答えました。

「正解」

さらに熱く語る、大河内主任。

「理想の学級について、全員でよく話し合う。それを “学級目標”とする。そして、実現をめざし、一丸となって取り組むんだ」*ポイント3

「2組は学級目標をつくりました。スタートダッシュです!」

葵先生の発言に焦る渡来先生。

ポイント3
学級目標が大切なのは、教師の願いや熱意が込められているからです。1年間、学級が進むべき道標(目標)は、子ども・学校・家庭など、みんなの思いが込められたものでありたいものです。学校教育目標や学年目標を教室内に掲示し、めざすべき4年生像が描けるようにしましょう。そのためには、しっかり話し合って決めていきましょう。

(4月②につづく)

『小四教育技術』2017年8月号増刊より

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