平川理恵✕のもきょう(野本響子)教育談義レポート with 柴田大翔#2~「一見、うるさい授業」から始まった小学校教諭の試行錯誤

前回の記事の最後の場面は、柴田大翔先生が「うるさいな」と思って覗いた、隣の教室でした。子どもが運動場へ砂を取りに行き、教室では実験が展開され、廊下ではパソコンに向かう子もいる。当時、座学中心の授業をしていた柴田先生にとって、「なんじゃ、この授業は!」と驚くような光景でした。その衝撃とそこからの学びを受けて、柴田先生はどんな授業をしているのでしょうか。
本記事は、2026年9月30日にVoicyで生配信された2本の「教育談義」(全3時間!)を、ギュッと濃縮してお届けするものです。音声でじっくり聞きたい方は、こちらからアーカイブをお聞きいただけます。▶ 教育談義・前半 ▶ 教育談義・後半
目次
今は「うるさい授業」を自分もやっている
平川 今、柴田先生はどんな授業をしているんですか?
柴田 僕自身、探究学習についてはまだまだ勉強している途中なんです。どこまで自分が理解できているのかも、正直わからない。ただ、今、理科の授業で大事にしているのは、子ども自身が「なんでかな?」と思うことです。そこから課題を設定して、「ああでもない、こうでもない」とトライ&エラーを繰り返す。例えば実験でも、方法を全部こちらから教えるんじゃなくて、「自分で考えてデザインしてみて。道具はこっちで揃えるから、あとはやってみ」と任せます。うまくいかなかったら、また考えればいい。ある程度、結果や結論が出たら、そこからまた次の問いが生まれます。そういうサイクルを、普段の理科の授業でも大事にしたいと思っています。
平川 それって、かつて柴田先生が「うるさいな」と思って見に行った、隣のクラスみたいになってきていませんか?
柴田 僕、今、そういうタイプの授業をしています(笑)。空気鉄砲を使う授業だったら、廊下でパンパンパンパンやって、子どもたちが自分で的を作ったり。電気で動く車だったら走らせて、「もっといろいろ試してみる?」と声をかけたり。周りの先生は「うるさいな」と思っているかもしれないですけど。でも、子どもたちは、めっちゃ楽しそうなんですよね。
平川 いいじゃないですか! 柴田先生が、今度は「うるさい理科の先生」になればいい。「隣、なんかガチャガチャしてるぞ」って、誰かが見に来るかもしれないですよ。
のもきょう 柴田先生自身は、最初から「探究的な授業をしよう」と思っていたわけではない。一人の先生の授業を見て、「なんじゃ、この授業は!」と思って、そこから少しずつ、自分の授業が変わっていったというのが面白いですね。
理科を2時間続きにしたら、何ができる?
平川 せっかくだから、妄想してみませんか? 柴田先生、今、理科で「本当はこんなことをやってみたい」ということはあります?
柴田 いっぱいありますよ! 今は理科専科なので、授業は基本的に45分で区切られています。でも実験をやっていると、45分って本当に短いんです。実験をしていたら、それだけで終わってしまって、振り返りまでいかないこともある。次の授業で振り返ろうと思っても、もう子どもたちは忘れていたりするし、僕は担任ではないので、その間にフォローすることもできない。
平川 だったら、理科を2時間続きにしたらいいのではないでしょうか? 3学期だけトライアルで、「理科を2時間続きで組んでください」と、教務主任に言えばいい。理科は週3時間でしょう? だったら、そのうち2時間を例えば5~6時間目といった形でつなげてもらう。残りの1時間は別の日にして、まとめとか知識を入れる時間にすればいい。
柴田 そうしたら、1時間で実験方法をデザインしておいて、5~6時間目に「じゃあ、前にデザインしたやつ、やってみようか」とできますね。
平川 そうそう。2時間つながっていたら、実験して、「あれ?」と思って、もう一回やってみて、最後に振り返るところまでいける。理科を軸にして、他の教科ともつなげられるんじゃない? 理科で見つけた問いを調べたり、文章にしたりと、教科横断的な学習も組めます。しかもその間、学級担任は午後の2時間分が空くわけでしょう? 半休を取って病院に行ったり、子どもの用事を済ませることもできるから、担任にとっても良いと思います。
柴田 確かに。理科が2時間続くと、かなりやりやすいですね。
平川 でしょう? しかも5、6時間目だったら子どもたちの探究心が途中でプツッと切れずにすみます。なんだったら、休み時間になってもずっと実験しているかもしれません。このアイデア、校長先生にプレゼンしてみたらどうですか? 「来年からやりましょう」ではなく、「まず3学期だけ試行させてください」とプレゼンするんです。それでうまくいったら、来年4月から本格的にやってみる。
柴田 こういうこと考えていると、めっちゃ!!! ワクワクします。
平川 私もワクワクします。必要だったら、「平川理恵も入ります」と校長先生にお伝え下さい。
