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冬から春への自然の変化を意識してみよう【地域と生活の科学~見つけよう!探究学習の種~#4】

地域と生活の科学~見つけよう!身の回りの探究学習の種~

四天王寺大学教育学部准教授

仲野 純章
地域と生活の科学~見つけよう!探究学習の種 バナー

冬の寒さが徐々に和らぎ、春の訪れを感じる季節。庭先の芽吹きや道端の草花、鳥のさえずりなど、身近な自然の様子が少しずつ変わっていくのを目にします。こうした変化は、特別な場所に行かなくても、私たちの生活のすぐそばで起こっています。季節の移ろいの中には、興味深い学びのタネがたくさん見つかります。

執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章

木々が生い茂る春の風景

冬から春にかけての気温の変化

冬の間、地面や空気の温度は低く、植物や昆虫の活動は抑えられています。ところが春が近づくにつれ、日差しの強さが増し、昼の時間も長くなっていきます。それにともなって、気温は少しずつ上昇していきます。

例えば、晴れた日に日なたと日陰の地面を触ってみると、はっきりとした温度差に気づくでしょう。これは、地面や植物、舗装された道路などが、太陽の光をどのように吸収・反射するかという性質の違いによるものです。また、昼と夜の気温差も大きくなり、霜が降りる日と降りない日が入り混じる時期になります。

こうした気温の変化は、植物の成長や動物の活動のタイミングに直接関わっています。季節の変化は、単に「暖かくなる」という一言では片付けられない、細かな変化の積み重ねなのです。

芽吹きや開花の科学

春になると、冬の間休眠していた植物の芽が膨らみ、やがて葉や花が開きます。最も分かりやすい変化の一つは、やはり「花」でしょう。中でも「梅」は、まだ寒さの残る時期に他の花に先がけて咲きます。そのため、春の訪れを告げる花として「春告草(はるつげぐさ)」という別名をもっています。

このような芽吹きや開花といった季節にともなう生物の変化は、「フェノロジー(Phenology)」と呼ばれます。植物は、日の出から日の入りまでの時間、つまり日長の季節変化を手がかりに、花芽をつくるタイミングを判断しています。日長がある長さより長くなったことに反応して開花する植物がある一方で、日長がある長さより短くなったことに反応して花を咲かせる植物もあります。

また、花芽が膨らみ開花に至るまでには、一定量の「あたたかさ(温量)」が必要です。これは、日々の気温が積み重なったものとイメージするといいかもしれません。同じ遺伝的特徴をもつソメイヨシノの開花日が、地域によって、また年によって異なるのは、このためです。

冬の名残と春の兆し

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