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街の中のいろいろな石|都市編①【地域と生活の科学~見つけよう!探究学習の種~#2】

四天王寺大学教育学部准教授

仲野 純章
地域と生活の科学~見つけよう!探究学習の種 バナー

普段、道を歩くときに足元をじっくり見ることは、あまりないかもしれません。しかし、視線を少し下げてみると、そこにはさまざまな「石」があり、私たちの暮らしを静かに支えています。今回は、石に目を向けながら、地域や生活の中に潜む科学について考えてみたいと思います。

執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章

岩石のおもしろさ

私たちが目にする石の多くは、「岩石」と呼ばれるものです。岩石は、そのでき方の違いによって、大きく三つに分けられます。

  • 火成岩:マグマが冷えて固まったもの。急激に冷えた火山岩と、ゆっくり時間をかけて固まった深成岩があります。下に、いくつか例を示します。
  • 堆積岩:砂や泥などが積み重なって固まったもの。
  • 変成岩:すでにある岩石が強い熱や圧力を受けて変化したもの。

<火山岩>

<深成岩>

「ものすごく古いもの」というと、恐竜や植物などの「化石」を思い浮かべる子どもは多いでしょう。しかし、そうしたものを含まない「単なる岩石」の中にも、化石と同じくらい、あるいはそれ以上に長い時間を経てきたものがあります。何気なく見ている石の一つ一つが、地球の長い歴史と静かにつながっています。

大理石の中の化石
大理石の中の化石

子どもたちに岩石への興味をもたせる方法の一つとして、こうした「化石」を探すという活動はよい入り口になります。ただ、「化石が出る」といわれる場所でも、思ったほど簡単には見つからないこともあります。けれども、見つからなかったとしても、その経験は決して無駄ではありません。探す過程でさまざまな岩石に触れ、「これはどんな石だろう」「どのようにできたのだろう」と考えること自体に、大切な意味があると考えます。化石という“特別な存在”をきっかけにしながら、やがては何も含まれていないように見える岩石にも目を向けられるようになること。それが、「岩石のおもしろさ」に近づく第一歩ではないでしょうか。もちろん、もし実際に化石が見つかれば、それはまた格別の喜びです。

堆積岩である「泥岩」の中に潜んでいた「有孔虫」の化石

堆積岩である「泥岩」の中に潜んでいた「有孔虫」の化石
堆積岩である「泥岩」の中に潜んでいた「有孔虫」の化石

岩石と鉱物と鉱石

「岩石」「鉱物」「鉱石」。いろいろな場面で聞いたことはあるけれど、「どう違うの?」と聞かれると、ちょっと考えてしまう言葉かもしれません。

最初にも触れましたが、私たちがふだん「石」と呼んでいるものの多くは「岩石」です。岩石をよく見ると、白や黒、緑などの小さな粒が集まってできていることに気づきます。この一つ一つの粒が「鉱物」です。鉱物は、どこをとっても同じ性質(化学組成や結晶構造)を持つ自然にできた固体で、人がつくったものは含まれません。「岩石」は、こうした鉱物が集まってできたものなのです。

一方、「鉱石」は、人の生活に役立つ成分を多く含み、利用の対象となる岩石や鉱物を指します。鉄を取り出せる鉄鉱石などがその例です。つまり鉱石という呼び名には、「役に立つ」という人間の視点が含まれています。

岩石は自然のまとまり、鉱物はその構成要素、鉱石は人との関わりの中で価値づけられた石。このように整理すると分かりやすいでしょう。

実は、身近なところに使われている岩石

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