【小5・算数「四角形や三角形の面積」】子供が学び方を選ぶ算数の授業〈デジタル×深い学び〉
令和8年1月23日、杉並区立松ノ木小学校(笠原秀浩校長)の研究発表会が開催され、全学年で研究授業が公開されました。本記事では、5年算数「四角形や三角形の面積」における研究授業(大城真衣教諭)を紹介します。
本単元では、あらかじめ示された学習計画をもとに、子供たち自身が学習内容や進め方を選択しながら、面積の求め方を学んでいきます。
大城先生が単元を通して大切にしていたのは、既習とつなげて考えること、そして自分の考えを言葉や式、図で書き残すことです。こうした学びの積み重ねを通して、子供たちは「わかった」「自分で学びを深めることができた」という実感を伴いながら、理解を確かなものにしていきます。本記事では、子供たちが既習を手がかりに考え、自分の言葉で説明できるようになっていく過程を紹介します。

この記事は、連続企画『「デジタル×深い学び」の授業デザインReport』の37回目です。記事一覧はこちら

東京都杉並区立松ノ木小学校
「夢中になれる学び」をめざす学校の姿として掲げ、「新しい学びのスタイル〜3つのチャレンジ〜」を研究しています。「自立的な学び」「個別最適で協働的な学び」「実感を伴った深い学び」を柱に、実社会や未来に役立つ力の育成を重視しています。
目次
子供が「学び方」を選ぶ授業
5年生の実態として、算数への意欲はあるものの、学力差が大きく、同じ授業の中で手が止まってしまう子供の姿も見られました。そうした中で、大城先生は「1つでもわかった、できたという経験を積ませたい」という願いをもって、算数少人数指導教諭の江川先生とともに単元計画を検討していきました。
単元計画の作成にあたっては、教科書や学習指導要領に示された指導事項を確実に押さえることを大切にしました。そのうえで、単元全体を通して、どのような楽しさを感じられるか、どのような算数の力を育てるのかを見通しながら、単元が構成されています。
本単元の特徴の一つは、学習の場を子供自身が選択する形をとったことです。一般的な算数の少人数指導では教師が学級を分けますが、今回は単元計画や授業のおすすめポイントを子供たちに示し、それをもとに自分が取り組みたいクラスを選択しました(単元の始めに選択し、途中で変更しない)。
「発展的な内容を扱っているから、江川先生のクラスで学びたい」「じっくり考えて取り組めそうだから大城先生のクラスを選びたい」など、子供たちは授業内容を踏まえながら、自分に合った学び方を選んでいました。

[授業のはじめ]
「これまでに学んだこと」が
新しい問題を解く手がかりに
本時の目標は、「自分で選んだ図形の求積の仕方を既習を生かして考え、求めることができる」ことです。本時の問いは、「自分が選んだ図形の面積の求め方を、わかりやすく説明しましょう」というものでした。黒板には、台形やひし形などの図と定義が示され、子供たちは自分が選んだ図形の面積に向き合います。
授業のはじめに大城先生が行ったのは、前時までの学習と本時の課題を比べることでした。次の問いかけをきっかけに、子供たちはこれまでに学習した平行四辺形や三角形の面積の求め方を思い出していきます。
前の時間の問題と、今日の問題は何が同じで、何が違うかな?
子供たちは既習の学びを手がかりにしながら、新しい課題に向かう姿が見られました。
平行四辺形の面積を求めるときは、どうしていたかな?
今日の図形でも使えそうな考え方はあるかな?
教室の壁には、これまでの学習内容が掲示されており、子供たちが既習事項を振り返りながら学習に取り組める環境が整えられていました。重要なポイントは「大城ポイント」と名付けられ、子供たちがこれまでの学びを意識しながら活用できるよう工夫されています。また、教室のモニターには、これまでに学んだ内容やワークシートが表示され、過去の学びと本時の課題を結び付けながら考えられるようにしていました。







