研究成果の発表:論文発表|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう㉑

前回は口頭発表について紹介しましたが、今回は論文発表です。論文発表は、研究成果を文章としてまとめ、広く世の中に届ける方法です。口頭発表やポスター発表は一時的な発表ですが、論文は出版されれば永続的に発表され続けます。また、査読付きの学術誌に掲載されれば、専門家による審査を通過した信頼性の高い成果として評価されます。
執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章
過去の記事はこちらから!
◆中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう①~考えを整理して、テーマを決める~
◆課題研究の実現可能性をチェックしよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう②
◆先行研究をチェックして、研究テーマにストーリーをもたせよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう③
◆研究テーマが決まったら、研究の道すじを考えよう─中・高等学校の【課題研究】はこう進めよう④
◆研究の「最終ゴール」を明確にしよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑤~
◆「やることリスト」を整理して、研究の全体像をつかもう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑥~
◆個別実験・調査項目の中身を具体化しよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑦~
◆「個別ゴールに届いたといえる事象」を考えてみよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑧~
◆「どうすればできる?」の見通しをつかむ~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑨~
◆「どうすればできるか」を具体化する~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑩~
◆本番の成功は予備実験・調査にかかっている|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑪
◆“仮の本番”で磨き上げる、本実験・調査の完成度|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑫
◆いよいよ本番の実験・調査。あらためて慎重に|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑬
◆本実験・調査をやり切る覚悟と、やり直す勇気|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑭
◆「結果」をどう扱うか|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑮
◆数値とどう付き合うか、結果整理を一歩具体的に|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑯
◆数値を「見える形」にして考えを深める―表・グラフで結果を語る―|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑰
◆考察と結論で、研究をきちんと締めくくる|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑱
◆研究成果の発表:ポスター発表|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑲
◆研究成果の発表:口頭発表|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑳
目次
どこに発表するか
論文発表の最初のステップは、発表先の選定です。口頭発表やポスター発表に比べて、論文を掲載する場は多種多様で、学会や出版社が刊行する雑誌のほか、年間を通じて定期刊行されるものもあります。
発表先を選ぶ際には、いくつかの視点があります。
・高評価誌に挑戦するか
有力な雑誌に掲載されれば、研究成果への注目度が高まり、研究者としての実績にもなります。
・早く公開するか
研究内容によっては、他の研究者より先に発表することが重要な場合もあります。その場合は比較的ハードルの低い雑誌を選ぶのも一案です。
ただし、注意が必要です。「ハゲタカジャーナル」と呼ばれる粗悪な学術誌も存在します。査読が不十分で、掲載料だけを目的にする雑誌です(こうした「ハゲタカジャーナル」に投稿し、仮に掲載された場合、将来的に負の遺産となりかねません)。先生も交えて、しっかり確認しながら安全な投稿先を選ぶようにしたいものです。

論文を書いてみよう
論文は、大きく「タイトル」「要旨」「本文」の3つのパートで構成されます。
・タイトル
研究全体を簡潔に表現する言葉です。執筆前に考えると、研究の全体像を整理できます。
・要旨
「背景」「何をしたか」「結果」「結論」を端的にまとめます。他者が論文を読むかどうか判断する重要な部分です。
・本文
一般的には以下のような章立てが使われます。
1.背景と目的
2.方法(実験・調査の詳細)
3.結果
4.考察
5.結論
その他、引用文献なども忘れずに記載します。
本文執筆では、論理的かつ具体的に書くことが大切です。特に方法の記述は、他者が同じことを再現できるレベルで書きます。また、論文には「新規性」と「有用性」が求められます。「何が新しいのか」「どう役に立つのか」を意識して書きましょう。
