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「カリキュラム・マネジメント」とは?【知っておきたい教育用語】

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【みんなの教育用語】教育分野の用語をわかりやすく解説!【毎週月曜更新】
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学校教育を改善・充実させるうえで重要な取組である「カリキュラム・マネジメント」。その具体化のために必要な視点や実践に向けた課題について解説します。

執筆/創価大学大学院教職研究科教授・宮崎猛

カリキュラム・マネジメントとは

カリキュラム・マネジメント
各学校が教育目標の実現に向け、教育課程の編成・実施・評価・改善を組織的かつ計画的に進め、学校や地域の実態に即して教育の質を継続的に向上させる一連の取組。教科横断的な視点での教育内容の組み立てや人的・物的資源の活用、また評価・改善を通じ、教育活動全体の質の向上を図る。

カリキュラム・マネジメントは、単に教育課程を編成するだけでなく、学校経営全体を改善していくための重要なプロセスです。その中心には、学校教育の目的や目標の実現と、それらを支える教育内容の組織化、実施、評価があります。学習指導要領では、次のように定義されています。

各学校においては,児童や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと,教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと,教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して,教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。

文部科学省「小学校学習指導要領 第1章 総則 第1の4

カリキュラム・マネジメントの三つの側面

カリキュラムマネジメントの定義を具体化するものとして、以下の「三つの側面」が重視されています。

①児童や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと。
②教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと。
③教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくこと。

文部科学省「学習指導要領解説総則編

一つ目の側面は、教科間のつながりを意識した「教育内容の組織化」です。児童や地域の実態を踏まえ、各教科等の目標を関連づけて指導計画を組み立てることが求められます。そこでは教科に限らず、総合的な学習の時間や道徳、特別活動なども含めた複合的なつながりを意識します。

二つ目は、PDCAサイクルによる「教育課程の改善」です。実施した教育活動の成果や課題を、各種データに基づき客観的に評価し、次なる改善へとつなげていく流れを確立します。

三つ目は、「人的・物的な体制の確保と改善」です。教員の配置、時間の管理、地域等の外部資源や施設との連携など、教育課程の実施に必要な人的・物的資源を効果的に組み合わせ、環境を整えます。

このようなカリキュラム・マネジメントの視点のもと、教育現場では、教科の枠を超えた課題解決型の学習(PBL)や、地域資源を活用した活動が展開されています。また、教育課程全体を見通した時間配分の工夫として、小学校の事例では、1単位時間の授業時間を5分短縮し、そこで生み出した時間を学校独自の重点教育に充てる取組があります。具体的には、授業時間を45分から40分に短縮して午前中に5時間授業を実施することで、児童の集中力を高めつつ、生み出した週100分程度の時間を英語教育や基礎学力の向上に充当しました。これにより教育活動の質を向上させるとともに、終業時間が早まったことで教員の働き方改革にもつなげています。

カリキュラム・マネジメントの意義と課題

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