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「コグトレ」で身体感覚を育てよう〔Ⅰ自分の身体(動きを変える)〕#10【ダウンロードプリント付】

連載
子どもたちの認知機能を高める 教室コグトレ
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立命館大学教授・一般社団法人日本COG-TR学会代表理事

宮口幸治
「コグトレ」で身体感覚を育てよう〔Ⅰ自分の身体(身体を知る)〕#1ダウンロードプリント付 バナー

「コグトレ」の身体面のトレーニング(認知作業トレーニング)の10回目は、自分の身体に向き合う機会をつくり、ボディイメージを高めるとともに身体のバランス感覚を養う「Ⅰ自分の身体」のなかの〔動きを変える(視覚・聴覚的注意トレーニング)〕にチャレンジしましょう。「コグトレ」とは、宮口幸治先生たちが開発した「コグニティブ(認知)機能」に着目したトレーニングのことで、身体面、学習面、社会面の3方面から包括的にトレーニングする特徴があります。本連載では、身体面のトレーニング(認知作業トレーニング)を基にして身体的不器用さの改善を図るトレーニングを紹介します。ダウンロードプリントを活用して、ぜひ試してみてください。

監修/立命館大学教授・宮口幸治

認知作業トレーニングとは

コグトレの認知作業トレーニングは、自分の身体のボディイメージを高める、物を扱う能力を高める、他者との関係の中で、多くの情報に注意を払い身体の適応力を高めるなど、身体的不器用さの改善を図るトレーニングです。下の表のように「Ⅰ自分の身体」「Ⅱ物と自分の身体」「Ⅲ人の身体と自分の身体」など3つのプログラムから成り立っています。

認知作業トレーニングプログラム

身体的不器用さ(以下、不器用さ)をもつ子どもは、小学生では約5% 存在すると言われています。不器用な子どもの特徴は、物によくぶつかる、ボールをうまく投げられない、物をよく壊す(手先が不器用)、姿勢が悪い、力加減ができない、じっと座っていられない、左右が分からないなどです。この子たちは、運動やスポーツが苦手だったり、身体や手先がうまく使えなかったりするだけでなく、不器用さが自尊感情の低下や周囲からのいじめの原因となることも報告されています。そのような不器用さを改善するトレーニングが、コグトレの「認知作業トレーニング」です。いわば、体育の特別支援教育とも言えるでしょう。「認知作業トレーニング」は、グループで実施することが原則となっています。

今回は、「Ⅰ自分の身体」のなかの〔動きを変える〕の「視覚・聴覚的注意トレーニング」の課題を紹介します。

〔動きを変える〕は、「聴覚的注意トレーニング」「視覚・聴覚的注意トレーニング」の2つのプログラムからなります。手足を動かす、止めるといった身体の動きをコントロールするには、主に脳の前頭葉が行っています。ルールに従って身体を動かすには、身体をコントロールするだけではなく、外部の刺激にも注意を払わなくてはなりません。この場合にも前頭葉が重要な役割を果たします。ルールに従って動きを変えることには、身体を動かすことと、注意を払う2つの異なった機能を前頭葉が担えるように能力を強化することが大切です。〔動きを変える〕トレーニングは、外部の刺激による動作の切り替えによって注意力を鍛えます。今回は「視覚・聴覚的注意トレーニング」の〈色か絵か?〉を試してみましょう。

〔動きを変える〕の「視覚・聴覚的注意トレーニング」にチャレンジ!

ねらい

視聴覚の情報を基に動作を切り替え、注意力を向上させます。

進め方〈色か絵か?〉

  1. 最初に色と動きを覚えます。「赤は止まる」「黄色は走る」「青は歩く」。しばらく「色」だけで練習しましょう。
  2. 次に絵と動きを覚えます。「ウシは歩く」「イヌは走る」「ウサギは跳ねる」「木は止まる」。しばらくは「絵」だけで練習しましょう。
  3. 色と絵の動きを覚えたら、これからスタート。教師が下のイラストのような絵を順次提示していきます。教師が「絵」と言えば絵の動作に、「色」と言えば色の動作をします。何も言われなければ前の指示を継続します。途中で、「絵」「色」を何度か変えるので、前の指示に惑わされないように、子どもたちは注意が必要です。
  4. 慣れてくれば絵を変えるスピードを上げていきます。

※難しいようなら絵の種類を減らしてもよいでしょう。子どもたちに合わせて調整してください。

課題シート

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