「結果」をどう扱うか|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑮

前回までは、本実験・調査をどう進め、どうやって「やり切るか」という姿勢について整理してきました。今回はその先、集めた結果をどう分析し、どう評価するかという、研究の山場とも言える場面について考えてみたいと思います。実験や調査ほど目立つ工程ではありませんが、ここをどう扱うかで、研究全体の印象は大きく変わってきます。
執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章
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◆中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう①~考えを整理して、テーマを決める~
◆課題研究の実現可能性をチェックしよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう②
◆先行研究をチェックして、研究テーマにストーリーをもたせよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう③
◆研究テーマが決まったら、研究の道すじを考えよう─中・高等学校の【課題研究】はこう進めよう④
◆研究の「最終ゴール」を明確にしよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑤~
◆「やることリスト」を整理して、研究の全体像をつかもう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑥~
◆個別実験・調査項目の中身を具体化しよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑦~
◆「個別ゴールに届いたといえる事象」を考えてみよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑧~
◆「どうすればできる?」の見通しをつかむ~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑨~
◆「どうすればできるか」を具体化する~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑩~
◆本番の成功は予備実験・調査にかかっている|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑪
◆“仮の本番”で磨き上げる、本実験・調査の完成度|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑫
◆いよいよ本番の実験・調査。あらためて慎重に|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑬
◆本実験・調査をやり切る覚悟と、やり直す勇気|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑭
目次
研究は「個別実験・調査」の積み重ねでできている
研究全体を振り返ると、それは一つひとつの個別実験・調査が集まってできています。各個別実験・調査で得られた結果をどう分析し、どう評価するかは、個別ゴールにとどまらず、研究全体の最終ゴールへと向かう方向性を決定づけます。
結果が出た瞬間は、どうしても「ここまでで一区切り」と感じがちです。しかし、研究において本当に重要なのは、その結果から何が言えるのかを考えることです。結果の分析と評価は、研究を前に進めるための次の一手になります。
「定性的」と「定量的」
結果の示し方には、大きく分けて二つの考え方があります。一つは、状況や変化を言葉や写真で表す「定性的」なもの。もう一つは、それらを数値として表す「定量的」なものです。たとえば、「条件Aでは色が濃く見え、条件Bでは薄かった」と文章や写真で示すのは定性的な表現です。そこから一歩進んで、色の濃さを数値として測定できれば、条件間の違いをより具体的に示すことができます。定性的なデータだけでも考察は可能ですが、定量的なデータが加わることで、議論の精度は高まります。
生徒には、「今、言葉で説明している違いを、数値にできないだろうか」と問いかけてみると、結果の見方が変わってくるかもしれません。

