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3学期のお楽しみ会は「絶対に負けられない戦い」|俵原流!子供を笑顔にする学級づくり #11

連載
俵原流!子供を笑顔にする学級づくり

兵庫県公立小学校元校長

俵原正仁
連載 俵原流!子供を笑顔にする学級づくり バナー

子供の笑顔を育てる「笑育」という実践のもと、安全で明るい学校、学級をつくってきた俵原正仁先生。これまで培ってきた学級づくりのアイデアやメソッドを、ユーモアを交えつつ、新任の先生にも分かりやすく解説します。月1回公開。

執筆/元・兵庫県公立小学校校長・俵原正仁

はじめに

笑顔で楽しそうに手をつなぐ子供たち

ピーク・エンドの法則」という心理現象があります。これは、人が過去の経験を振り返るとき、その良し悪しを「一番盛り上がった瞬間(ピーク)」と「どのように終わったか(エンド)」でほとんど判断してしまう、というものです。言い換えれば、1年間に辛いことや悲しいことがたくさんあっても、最後に最高の思い出があれば「楽しかった!」と認識してしまうのです。

前回の連載第10回では、私自身の反省をもとに「3学期はまとめであり、次年度へつなぐ大事な時期」であることをお話ししました。山本さんの燃え尽きは、私が最後までアクセルを踏み続けてしまったことが原因でした。あの経験以来、私は3学期をクールダウンの期間と捉えるようになりました。しかし、3学期はただ落ち着くだけの時間でもありません――そのこともお伝えしました。

終わりよければ、すべてよし

だからこそ、3学期の終わりには「このクラスでよかった!」と子供たちが心から感じられるようなフィナーレをつくりたいものです。「ピーク・エンドの法則」を意図的に活用し、教師がプロとして仕掛けを整え、子供たちに最高の思い出をプレゼントして1年を締めくくってください。

子供主導が理想。でも、理想にこだわり過ぎてもだめ

本来、3学期のお楽しみ会は、子供が決めて、子供が動いて、子供が楽しむ。これが理想です。でも、理想通りにいかないこともありますよね。

・話合いがまとまらない。
・リーダー不在で空気が動かない。
・経験値が少なくイメージがわかない。
・「楽しい」の感じ方が子供によってバラバラ。

こうした状況であるにもかかわらず、子供たちに丸投げをすれば、「つまらなかった」「一部の子だけが盛り上がった」という結末になりかねません

しかも、それが3学期の最後に来るとなると、「ピーク・エンドの法則」から言えば、致命的です。もし、3学期最後のイベントがしょんぼりしてしまえば、この1年間、どれだけよい授業があったとしても、自分自身どれだけ成長したとしても、どれだけ友達同士の関係がよかったとしても、次のように上書きされてしまう可能性があります。

○年生は、あんまり楽しくなかったかも……。

子供たちにそんな思いをさせるくらいなら、やらない方が100倍マシです。だからこそ、まずやるべきことは、現状の見極めになります。

すべて子供たちに任せるのは、難しそうだな。

もし、そう感じたとしたら、教師がグッと前に出てくださいこの際、「子供の主体性を育てる」という教育目標は、いったん横に置いてもかまいません。むしろ、そうすることこそが、プロの判断です。理想にこだわりすぎて、現実を見ることができなくなってはいけません。今だけは、「全員が楽しい」をめざします。3学期のお楽しみ会は、子供たちの1年間を最高に締めくくり、次年度へ確実につなぐための、

絶対に負けられない戦い

だからです。でも、その戦いは、先生自身がワクワクしながら臨んでいい戦いです。何よりも教師自身が楽しんでください。笑顔の教師が笑顔の子供を育てるのですから……。

もちろん、「お楽しみ会をしよう」という提案やめあての設定が、子供側から出たり、子供たちだけで実行できたりするのがベストです。ベストな動きが出たクラスは、子供たちをめっちゃほめてあげましょう。そして、そのような子供たちを育てた自分にも素敵なご褒美を上げましょう(笑)。

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