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テンプレートつき!忙しい先生のための学級経営省察術―5分でできる気づきのログ―【ストレスフリーの教室をめざして #41】

連載
ストレスフリーの教室をめざして

春日智稀
ストレスフリーの教室をめざして
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小学校の学級担任にとって、毎日はあっという間に過ぎていきます。授業準備、子どもへの声かけ、保護者対応、校務分掌……。気がつけば一日が終わり、ゆっくり自分の学級経営を振り返る余裕がないまま帰宅し、また新しい一日が始まることも多いでしょう。

しかし、学級経営は教師の小さな気づきと改善の積み重ねで安定していくものです。日々の中で子どもの変化に気づき、学級の雰囲気を敏感に感じ取り、次の一手を考える―このサイクルこそが学級経営の質を高めます。

そこで重要となるのが、「省察」という営みです。省察とは、単なる出来事のふりかえりではなく、出来事の意味や背景を考え、次の行動につなげる内省的な活動を指します。忙しい先生であっても、わずか5分の省察を習慣にすることで、子ども理解と学級経営改善の質が格段に高まる可能性があります。

今回は、短時間でできる省察の方法から、週・月単位の整理方法、テンプレートの活用術まで、明日から始められる実践的な省察術のヒントを紹介します。

執筆/埼玉県公立小学校教諭・春日智稀

学級経営における省察の効果

①その日の新鮮な心の機微を記録できる

人は忘れる生き物です。学校はいろんなことが起こりますから、先生方は自然と必要な情報とそうでない情報をうまく整理していることでしょう。しかし、そこに先生自身の「心の機微」はあるでしょうか? 事実の記録に合わせて、先生がそのときその瞬間にどう感じたかを記録することで、心の機微を残すことができます。

②教師自身の心理的安定につながる

学級経営は、思うようにいかない日もあります。省察を通して感情を整理し、「なぜうまくいかなかったのか」「次はこうしてみよう」と考えることで、自己肯定感を保ちやすくなります。また、自分一人では抱えられない感情を、同僚や家族などに相談するきっかけにもなるかもしれません。省察をするということは、自分をもう一人の自分が見ているようなものなのです。

③自己理解が深まる

なぜ省察を行うのか? という問いに対するアンサーとも言えます。省察を通して、自分の気づきを記録することにより「自身との対話」が促されます。しかし毎日多忙ですから、自分と対話している暇なんてない! というのが実態でしょう。しかし省察のタイミングが無ければ、自分とはどんな教師なのか? 何を大切にしているのか? という、教師としてのアイデンティティがだんだんと分からなくなってしまいます。

毎日→毎週→毎月のステップで始める「気づきのログ」

ここからは、具体的な省察の行い方を紹介します。

省察を行うタイミングは主に、「毎日」「毎週」「毎月」の3つです。以下に紹介するテンプレートを活用しながら、まずは「毎日」の記録から始めてみましょう!

毎日できる!「1行メモ法」

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