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生徒が授業に集中しないときはどうする?<中高教員の実務>

連載
中高教員の実務

創価大学大学院教職研究科教授

宮崎 猛

文京学院大学名誉教授

小泉博明

授業に集中できない原因を探りましょう。クラス全体の問題、生徒個人の問題など状況別に対応を考えることが大事です。

編著/小泉博明・宮崎 猛

【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#38

私の授業はいつもガサガサとして落ち着きがなく、いくら注意しても改善されません。対処法はあるんでしょうか?

授業中、生徒たちが授業に集中せず、おしゃべりをしたり、授業とは関係のないことをしたりしているのを目にすると、がっかりしますし、教えようという意欲も薄れてきがちです。しかし、めいってばかりもいられません。生徒たちの行動の原因を冷静に分析し、対策を練っていきましょう。

授業に集中できない ── その原因を探る

一口に子供が授業に集中しないと言っても、様々なケースが考えられます。たまたまその授業、その日だけの一過性のものなのか、または何らかの原因をもつ、根の深い問題によって引き起こされたものなのか……。目の前にある現実だけに目を奪われるのではなく、その原因を冷静に探りながら、状況別に対応を考えていきましょう。

授業に集中できない生徒への状況別対応法

1.一過性の原因による場合

子供たちの様子や、クラス全体の雰囲気は日によって違います。また、一日の中でも気候や時間帯によって変化します。体育の授業のあとだと疲れていたり、興奮状態がさめやらなかったりすることがよくありますし、文化祭や体育祭などの大きな学校行事の前後も、授業に集中できない状況が起こりやすくなります。

このように、生徒の精神状態や生徒を取り巻く環境は常々変化しており、一定ではないという前提に立って、生徒たちに接し、授業を行う心構えが必要です。

2.クラス全体の問題の場合

クラス全体が学習に無気力であったり、私語が多くて勉強と無関係のことをしていたりする場合があります。こういう場合は、まず担任や学年の先生方にこれまでの経緯や各生徒の状況をよく聞いて、情報を得ることが第一歩です。そして、一人ひとりの生徒と信頼関係を築くように努力し、伸長感、達成感を毎時間感じられる授業づくりを心がけましょう。

先生が自分たちのために頑張っているということが分かれば、きっと生徒たちの授業に向かう姿勢も変わっていきます。

3.生徒個人の原因による場合

問題行動を起こす生徒は、多くの場合、何らかの原因を抱えています。例えば、家庭で親が厳しすぎて反発している、友人関係がうまくいっていない、授業についていけない、先生に対して反感を抱いている、または周りの注意を引くためにわざとしていることもあります。

対応1

このような生徒は、個別に呼んで親身になって話を聞いてみましょう。まずは自分の行動をきちんと認識しているかどうかを確認し、どうしてそういう行動をとるのかを聞いてみます。そして、どうしたらいい方向に向かっていけるのかを、一緒に考えていきましょう。教師は生徒を教え導く存在であるだけでなく、生徒のサポーターでもあります。ともに考えることで生徒との信頼関係も深まり、行動にも変化が生じてくるはずです。

対応2

家庭と緊密に連絡を取り合いましょう。その際、生徒の行動を非難するのではなく、家庭と力を合わせて生徒をよい方向に導いていきたいのだという思いをきちんと伝えましょう。保護者も対応に苦慮していたり、家庭とは違う行動に驚いたりしている場合もあります。保護者との協力関係を築くことは、保護者に安心感を与えるだけでなく、生徒にも、先生が自分のことを親身になって考えてくれていると感じさせるきっかけとなります。

イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ

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