• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

浅見哲也教科調査官に聞く! 道徳授業の組み立て方のポイント

2019/3/31

2018年4月から全面実施され、新たなスタートを切った「特別の教科 道徳」。「考え、議論する道徳」の実現に向けた学習のポイントについて、文部科学省教科調査官の浅見哲也先生が、 『教育技術 小五小六』4月号の特集で具体的に答えています。

写真/田中麻以(本誌)

浅見哲也さん

文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官。1967年埼玉県生まれ。1990年より教諭、指導主事、教頭、校長、園長を務め、2017年より現職。どの立場でも道徳の授業をやり続け、今なお子供との対話を楽しむ道徳授業を追求中。

「道徳」は「国語」にあらず!

「道徳は国語ではない」という認識を、しっかりともっていただきたいと思います。文章を理解させて、登場人物の気持ちを考えるのではなく、ある程度のあらすじを分かった上で「自分との関わり」から考えを深めるのが道徳です。慣れていない先生は「導入」「展開」「終末」の進行の基本型を知っておくと、やりやすいでしょう。

道徳授業の様子
体験的授業の様子  写真/田中麻以(本誌)

「考え、議論する道徳」とは

「考え、議論する道徳」の実現に向けた学習のポイントは、端的に言うと、次の4点です。

① 問題意識をもって授業に臨む
② 自分との関わりで捉え、考える
③ 多面的・多角的に考える
④ 自らをふり返り、自己の生き方について考える

さらに、授業で大切にしていただきたいことが二つあります。まず一つ目が「学級経営の充実」。子供同士がなんでも伝え合える雰囲気をつくることです。もう一つが、「子供の実態を把握してから授業に臨む」ということです。

「教材学ぶ」のではなく、「教材を使って生き方を学ぶ」のが道徳科の本来の学習です。だからこそ、実態を把握することが、意図的な発問や、活発な対話を生む重要な要素となります。

そして、子供の道徳性を養い、道徳性を構成する諸要相を育てることを目標として、〝考え、議論する道徳〟の実現を図っていきます。

①問題意識をもって、授業に臨む

教材の中に描かれている問題について子供が問題意識をもてるよう導きましょう。黒板に学習課題(めあて、テーマ)を書いたり、冒頭で「今日考える問題」について簡単に説明したりするのも有効です。

子供が問題意識をもっていれば、「教材を学ぶ」ではなく、自然と「教材を使って考える」姿勢になっていきます。

②自分との関わりで捉え、考える

自分との関わりを表現するための発問の工夫に「自分だったらどうしますか」「あなただったらどう考えますか」があります。

ただ、「自分だったら」と聞かれることで本当のことを言いにくくなる子もいるかもしれません。内容によって、登場人物などを引き合いに出し発問するなど、常に自分との関わりを考えやすくする発問の工夫が必要です。

③多面的・多角的に考える

「多面的・多角的」に考えるためには子供同士や先生との対話、教材の登場人物との対話など、様々な「対話」が求められます。

そして、重要なのはその価値を実際の生活や人間関係とリンクさせて意識付けることです。「この意見はどんな考え方か」「誰と誰は同じで、誰とは違うか」など、対話や意見の違いを整理して板書にまとめましょう。価値理解だけでなく、人間理解や他者理解が進み、「多面的・多角的」な視点へとつながります。

④自らをふり返り、自己の生き方について考える

これからの生き方について、課題や希望をもつための大切な時間です。ワークシートや道徳ノートの活用もよいでしょう。必ず書かなくてはいけないということではありません。自己の生き方について、考えを深めるための手段の一つが、「書く」活動なのです。大切なのは、自らをふり返り、考える時間をもつことです。

道徳教材「ブランコ乗りとピエロ」を使った授業の進め方の具体例はコチラ!→小5・小6道徳「ブランコ乗りとピエロ」指導アイデア

構成・文/ルル

『教育技術 小五小六』2019年4月号より

★小学館『みんなの教育技術』Webサイトでは小学校の先生に役立つ情報を毎日発信中★ぜひお気に入り登録して最新記事をチェックしてください!
↓↓↓
『みんなの教育技術』トップへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連する記事

『授業の工夫』の記事一覧

低学年にぴったりの「モジュール授業」アイデア5選

45分授業では集中力が続かない低学年にぴったりの、楽しい「モジュール授業」アイデアを、学年別に紹介します。モジュール授業を活用して、基礎基本の定着や知識・技能の…

小6外国語:メモは日本語でもいい?その疑問に教科書編集委員が答えます

メモは英語で取らせるべき? 聞き取れない子どものためにはすぐに日本語で訳してあげた方がいいの…? 教科書だけではわからないかもしれない指導のポイントについて、小…

小2生活「わたしの町大発見!」指導アイデア

小2生活「わたしの町大発見!」指導アイデアです。子供たちが自分達の町に関心を持ち、もっと知りたいことを調べるために町探検する活動を紹介。この学習を通して、子供た…

海外コロナ休校下の家庭学習事情:アラブ首長国連邦では…

新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、世界の教育を揺るがしています。日本では自宅学習用課題の作成、オンライン授業など、学校は子どもたちの学力保障に苦心してい…

小3社会「農家の仕事」指導アイデア

小3社会「農家の仕事」の指導アイデアです。農作物の種類や産地の分布、生産工程などに着目して、見学・調査したり地図などの資料で調べたりして白地図にまとめ、表現する…

2020/5/29

小2算数「ひき算のひっ算」指導アイデア

小2算数「ひき算のひっ算」指導アイデアです。数量の関係に着目し、具体物の操作や式に表して考える活動を通して、2位数‐2位数で一の位に繰り下がりのある減法の計算の…

小5国語「物語の山場に着目して、物語のみりょくをすいせんしよう」指導アイデア

小5国語「物語の山場に着目して、物語のみりょくすいせんしよう」の指導計画です。物語の魅力である山場を捉えることは、この物語を推薦する上で大切です。推薦の文章を書…

小1生活「おおきくなあれ わたしのおはな」指導アイデア

小1生活「おおきくなあれわたしのおはな」の指導アイデアです。子供たちが入学前の経験や他学年や教職員のアドバイス生かしながら、あさがおを栽培、観察活動をしていく単…

小6体育「陸上運動(走り高跳び)」指導のポイント

小6体育「陸上運動(走り高跳び)」の指導のポイントです。走り高跳びは、リズミカルな助走から力強く踏み切って跳び、記録に挑戦したり、相手と競争したりする楽しさや喜…

小3算数「表とぼうグラフ」 指導アイデア

小3算数「表とぼうグラフ」 指導アイデアです。数値の大きい項目を棒グラフに表す場合について、1目盛りの数を変えたグラフを見比べ検討する活動を通してそれぞれの…

もっと見る