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学級会の話合い 3つの段階で効果的に進めよう【自治的な活動を促す 学級経営の極意Ⅱ⑨】

連載
自治的な活動を促す 学級経営の極意Ⅱ
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埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者

稲垣孝章
【自治的な活動を促す 学級経営の極意Ⅱ】バナー

子供たちが自治的な活動を行えるようにするためには、教師はどのような指導をしていけばよいのでしょうか。学級経営・特別活動を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、全15回のテーマ別に特別活動の本流を踏まえて、学級活動の基礎基本を解説します。第9回は、学級会を3つの段階に分けて解説します。

執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
 城西国際大学兼任講師
 日本女子大学非常勤講師・稲垣孝章 

学級活動(1)学級会は、いわゆる「3段階での話合い」を基本としています。3段階とは、意見を「出し合う」「比べ合う」「まとめる」という段階で、どの学年でも分かりやすい話合いの進め方です。
話合いでの基本となる「話し合うこと(話合いの柱)」には、①「何をするか」、②「どうするか」、③「誰がするか」という3つがあります。それぞれ①②③の話し合うことに「出し合う」「比べ合う」「まとめる」の3段階があることから9つの段階があることになります。しかし、時間の配分を考えて、①では「比べ合う」段階から話し合う実践も多く見られます。
そこで、学級会での3つの段階の話合いの実践にあたって、3つのキーワード「出し合う段階」「比べ合う段階」「まとめる段階」でチェックしてみましょう。

CHECK① 出し合う段階

一人一人が提案理由を根拠に、自分なりの意見を発表することから学級会が始まります。この段階では、他の意見に対する質問は行いますが、その意見に対する反対や賛成の意見は発表しません。まずは、様々な意見や多様な考えがあることを全員で共有します。特に、「話合いは聞き合い」であるという認識のもと、互いの意見をよく聞き、背景にある思いや願いも理解できるようにしていきましょう。

意見の理由を付けて自分の考えを発表できるようにします

学級会で自分とはちがう友達の意見を尊重し合う子供たち

「出し合う段階」で意見を発表する際には、理由を付けて発表できるようにすることが大切です。単なる個人の好き嫌いとしての意見ではなく、提案理由を踏まえて根拠を意見の理由として発表できるように指導していきます。低学年の段階から、このような指導を積み重ねていき、充実した話合いができるようにしていきましょう。

CHECK②  比べ合う段階

「比べ合う段階」での意見交換は、合意形成に向けた大切な話合いの場面です。互いの意見の思いや願いを理解し、相違点を明確にしながら話し合います。この段階で、賛成意見や反対意見を発表します。反対意見については、「賛成の否定」ではないことを指導し、反対意見のどの部分を修正すれば合意できるのか等について比べ合います。次の「まとめる段階」に向けて、「比べ合う段階」での意見交換が十分に展開されるようにしていきましょう。

イメージの共有化を図り意見を分類・整理します

出された意見についての「イメージの共有」ができていない学級会を参観することがあります。このような話合いでは、確かな比べ合いが可能となりません。まずは、それぞれの意見のイメージを共有できるようにしましょう。そして、出された意見を統合したり、分類したりして、子供たちの思考が整理できるような支援をしていきましょう。

CHECK③ まとめる段階

学級会は、「自分もよく、みんなもよい」という合意形成を目指して行う話合い活動です。「比べ合う段階」で分類した意見について、どのように合意形成をしていくことがよいのかを考えます。例えば、次のような方法が考えられます。

①新しい考えをつくる……AとBを生かして、Cの意見にしては~
②意見を合わせる…………AとBを合わせて、A B の意見にしては~
③優先順位を決める………今回はAにして、次回はBの意見を生かして~
④条件を付ける……………Aの意見に〇〇を付け加えると~
⑤少しずつ全部行う………両方できるようにAとBの時間を短くして~
⑥共感的に理解し譲る……みんなの意見を聞いて、今回は、Aにして次回はBに

他の意見の思いや願いを考えながら合意形成を目指します

他の意見の思いや願いを理解し合うことが、よりよい合意形成に向けた話合いの基盤です。多様な意見のよさを生かしつつ、「自分もよく、みんなもよい」という結論を導き出すようにします。特に、少数意見や選定されなかった意見の扱いを明確にしながら、どの意見も大切に扱うような合意形成を目指していきましょう。

イラスト/池和子(イラストメーカーズ)

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