小2国語科「はたらく人に話を聞こう」板書例&全時間の指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小2国語科「はたらく人に話を聞こう」(東京書籍)の板書例、発問、想定される子供の発言、1人1台端末の活用例等を示した全時間の授業実践例を紹介します。
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監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/相模女子大学学芸学部 子ども教育学科専任講師・成家雅史
執筆/東京学芸大学附属小金井小学校・小野田雄介
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、学校で働く人に話を聞くことを通して、大事なことを落とさずに聞く力を育てていきます。
2. 単元の評価規準
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3. 言語活動とその特徴
本単元では、1.で示した資質・能力を育むために、「学校で働く人に、どんな仕事をしているか話を聞く」という言語活動を設定します。
大事なことを落とさないように聞くためには、まず聞きたいことを醸成することが大切です。聞きたいことがないと、何が大事なことなのか分からないからです。
そこで、この言語活動では、話を聞く相手を「学校で働く人」にします。1年間、学校に通い、学校生活にも慣れてきた頃でしょう。生活科の授業などで、学校ではどんな人が働いているかも、学習してきていると思います。校長先生、副校長先生、他のクラスの先生、保健室の先生、図書室の先生、給食の先生、用務さん、事務さん…この人たちは普段、どんな仕事をしていると思いますか、と投げかければ、児童は知っていることを話してくれるでしょう。それでも、全部の仕事を知っているわけではありません。
そこで、インタビューをしてみよう、と展開することで、聞いてみたいことが生まれてくることが期待できます。
聞きたいことが生まれてくれば、インタビューで大事なことを落とさないように聞くにはどうしたらよいか、自然と授業を進めることができるでしょう。
インタビューに行く前にどんな準備をしたらよいか、インタビューのときにはどうしたらよいか、インタビューを振り返ってみてどうだったか、この言語活動を軸に単元を展開することで、単元で身に付けたい資質・能力を育てていきましょう。
4. 指導のアイデア
「学校で働く人に、どんな仕事をしているか話を聞く」という言語活動を通して、大事なことを落とさずに聞く資質・能力を育むために、次の三つの工夫を加えます。
一つ目は、学校で働く人にはどんな人がいるかを振り返る活動です。これまでの学習で、そうした学習経験がある場合は、そのことを振り返ってみるといいでしょう。また、PTA等から、先生紹介のような手紙が配られている場合は、それをきっかけにどんな人が働いているか確認していきましょう。
そして、その人がどんな仕事をしているのか、知っていることや予想したことを話し合っていきます。そうすることで聞きたいことを醸成するのがねらいです。
二つ目は、「しつもんカード」をつくることです。事前に聞きたいことを明確にすることで、大事なことを落とさずに聞けるようにします。質問は多くても三つがよいでしょう。あまり多いと聞き取ることが難しくなるからです。
「しつもんカード」があることで、どんな質問を考えたのか、交流しやすくなります。交流を通して、質問を練り直す子が出てきたり、なかなか質問が思い浮かばなかった子が思いついたりすることが期待できます。
三つ目は、大事なことを聞き落とさないために、どんなことに注意したか、振り返る場を設定することです。児童は、話を聞けた段階で満足してしまうことが予想されます。しかし、話を聞き落とさないようにするために、注意していたことがあるはずです。それを共有することで、大事なことを落とさずに聞く力が、より力強く育まれていくことになるでしょう。
なお、誰に話を聞くのかについては、事前に学校の実態に応じて、取材に協力してもらえるかを該当者に確認しておきましょう。全員の子の希望を叶えるのは難しいでしょうから、グループで聞きに行くなど、教師が調整するようにしましょう。
5. 単元の展開(4時間扱い)
単元名: はたらく人の話を聞こう
【主な学習活動】
・第一次(1時)
① 学校で働く人について振り返り、「どんな仕事をしているか」という学習課題を設定する。
・第二次(2時、3時)
② 誰に、どんな質問をするかをまとめる。
③ 学校で働く人にインタビューを行う。
・第三次(4時)
④ インタビューの内容を共有し、大事なことを落とさずに聞くために気を付けたことを振り返る。
全時間の板書例と指導アイデア
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イラスト/横井智美
令和6年度からの国語科新教材を使った授業アイデア、続々公開中です!
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