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小五担任経験者 ホンネ座談会

2019/3/25

五年生は、心身ともに大きく成長し、思春期に突入する時期。今回は、小五担任経験者の先生方にお集まりいただき、ご自身の体験から、子ども心理理解、保護者対応などの注意点とともに、小五を受け持つ醍醐味、面白さについて語っていただきました。

子どもの言動にアンテナを張り、丁寧な声かけを

座談会参加者の先生方
座談会参加者の先生方

六年生の引き立て役に回る役回り

――学校では五年生はどのような学年ですか?

A先生:五年生になると、委員会活動などが始まり、学校の中でも、低学年や中学年を引っ張っていく立場になります。目標のイメージとしては、低学年は「言われたらできる」、中学年は「言われなくても自分のことはできる」で、高学年になると、「人の世話までできるようになる」。そこまで意識させるようにします。
C先生:確かに高学年として学校を引っ張っていく立場になるのですが、ちょっとかわいそうな立ち位置でもありますよね。委員会でもやはり中心になるのは六年生。一年生の世話は六年生がやり、五年生は、中間管理職的立場で、どうしても六年生の引き立て役になってしまう
B先生:五年生は、頑張ってもなかなか光が当たらない立ち位置の学年。だから、上手にほめて、声がけをして、モチベーションを上げてあげることが大事ですよね。

見えない場所でのトラブルが増える

写真/髙野宏治

――五年生になると、学習面や人間関係にどんな変化がありますか?

C先生:勉強も抽象度が高くなり、難易度がぐっと上がります。とくに算数は、学力が二極化しますね。個別にフォローをしたくても、休み時間に委員会の仕事が入ってきたりするので、計画的に時間を使うことが求められます。

A先生:受験をする子は塾の日も増えるし、趣味だったスポーツをやめるなど、我慢することが多く、ストレスが溜まります。家庭でもプレッシャーをかけられるので、五年生くらいから、不登校になったり、ひねくれたりする子が増える気がします。
B先生:友達関係も中学年とは違いますね。特に女子同士は、表立って喧嘩をすることはなくなるのですが、裏でトラブルになっていたりするので、解決が難しくなります。
A先生:男子は、叩いた叩かないなど、トラブルがわかりやすいですが、女子はグレーな感じがずっと続きますよね。根が深く、問題が表面化しないので、教師が入っても解決が難しくなります。
C先生:アンテナを張っていないとダメですよね。何か問題があると気づいても、そこで様子を見るだけの段階に留めておくか、個別に呼び出して話を聞くのかは判断が難しいので、他の先生と相談したり、保護者と話をしたりと臨機応変な対応が求められます
B先生:高学年になってくると、コンサートに友達と行くなど、行動範囲も広がっていきます。LINEなどSNSのトラブルも増えます
C先生:私の学校では交換日記を禁止しています。日記や手紙の交換を始めると、絶対に悪口を書くようになるからです。しかし、教師がダメだと言っても、実は放課後はしていたりして、やはりそこでトラブルになることがあります。大人が見ていないところの行動が、どんどんエスカレートしていくのもこの時期ですね。

比較意識、性への関心も高くなる

――思春期ならではの問題もありますか?

B先生:教師との関係性で言うと、きれいごとが通らなくなってきますよね。低学年は教師が言ったことを素直に聞いてくれますが、高学年は、「それは大人の都合じゃないの?」などと、言ってくることもあります。
A先生:だから、理論だけではなく、感情をフォローしてあげないといけないですよね。正しいことを理屈で通そうとするのではなく、「君たちがそう思う気持ちはわかるよ」と気持ちを汲んであげないと信用してくれなくなります。
C先生:比較意識も強くなりますよね。
B先生:高学年になると、「女子ばかり贔屓している」など、他者と比較して不満を持ちますね
A先生:女子のほうがしっかりしているので、やはり男子を叱ることが多くなるのですが・・・。
C先生:でも、男子はほめてほしいんですよね。とにかく関心を持ってもらいたい。だからひと言声をかけると有頂天になって可愛い(笑)。
A先生:男子は、性的な言葉を使って周囲の気を引こうとする子も出てきます。「なんで図書室にはエロ本ないんだろうね」など。でも実際にはエロ本の中身は知らないのです。ただそういった言葉を使いたいだけなのです。
C先生:女子は完全にひいていますよね。
B先生:最近は、性的なものに触れることが年齢的に早くなったと思います。動画サイトなどで簡単に目に触れやすいのです。保護者も子どもたちの行動を把握できていない場合が多く、指導が難しいですね。

写真/髙野宏治

――保護者からはどんな相談が多いですか?

A先生SNSや塾での人間関係についての相談が増えますね。「困っているので先生から保護者会の時に言ってください」など、本来家庭で対応すべき問題も、学校から発信してほしいという相談を受けます。お話はしますが、家庭によりけりなので、収拾はつかないのですが・・・。
B先生:五年生になると、保護者会の出席率も下がるし、子どもへの関心が薄くなる傾向がありますが、カウンセリングを求めてくる保護者もやはりいます。先生に話したい、伝えたい保護者。そういった方は気持ちを聞いてあげるだけですっきりする方も多いものです。だから、とりあえずお聞きして、「それは大変でしたね」と受け止めてあげて「学校で改善できることはするけれど、お家での問題はもう少し頑張ってみてください」と伝えることが多いですね。
C先生:悩みを直接担任に相談してくれるのは、ありがたいですよね。家庭環境がしっかりしていないと、子どもは不安定になります。だから、お母さんの心のメンテナンスは大事です。

六年生の担任の仕事を見ておく

――五年の担任になる先生へのアドバイスをお願いします

A先生五年生の担任はそのまま六年生に持ち上がることが多いので、六年生の先生の仕事をよく見ておくと参考になります。翌年、その仕事をしなければいけなくなりますから。六年生の先生は、学校全体の行事に関わり、行事全体を動かすことが多いのです。
C先生:六年生の先生方からは、六年生ではこんなことをするので、今のうちに子どもたちにはこんな力をつけておいたほうがよいなどと、アドバイスをもらえるので、子どもたちにも声がけができますよね。私も「みんなの頑張りは六年で活きるよ」とよく言って励ましていました。

六年生になる意識付け・声がけが重要

A先生:五年生は、子どもへの声がけがすごく大事ですね。何を目指すかということを常に意識させるようにします。次はあなたたちが六年になる。次は、あなたたちの出番が来るんだよというのを意識させて育てていくことが、すごく大事な学年だなと思います。
B先生:ただ自分たちの役割をこなすだけではなく、六年生の活躍を見ておかないと、自分たちも活躍できないですからね。
C先生:低学年、中学年は、私もお母さん感覚で、生活面でのサポートが多かったのですが、五年生になるとほぼ人格が出来上がってきているので、子どもに対応するというよりは、 1人の人間として対応していました。いろいろな複雑な感情を抱えている子も多いので、本音でぶつかってきてもらいたい。だからこそ、子どものお世話をするような感覚ではなく、1人の人間として本気でぶつかっていくようにしていました。人間同士の体当たりみたいな感覚ですね。
B先生:そこが面白いところですよね。高学年のほうが年も近いので、感覚が近い。大人っぽい話もできるので会話も楽しいです。
A先生:低学年では、「先生、どんぐり拾ったよ」「よかったね」みたいな話が多かったりしますが(笑)、高学年では、将来就きたい職業についての相談や、好きな偉人の話、歴史の話など、話題の幅が広がるのが楽しみでもあります。

取材・文/出浦文絵

『小五教育技術』2018年4月号より

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