「子どものころのたからもの」大野八生さん(絵本作家)

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雑誌『教育技術 小一小二/小三小四/小五小六』では、月替わりで人気の高い絵本作家に表紙用のイラストの作画をお願いしています。本コーナーでは、その絵本作家さんに、小学生の頃の思い出を綴っていただきます。今回は、2020年2月号のイラストを担当していただい大野八生(やよい)さんです。

『教育技術』2020年2月号の表紙
『教育技術』2020年2月号の表紙

高校までは獣医になるつもりだった

大野八生さんの表紙イラスト
大野八生さんの表紙イラスト

子どものころから、庭で植物を見たり、何かを育てたり、絵を描くことがとても好きでした。

しかし、高校生まで、ずっと獣医になりたいと思っていた私が大人になって、庭の仕事、絵の仕事をさせていただくことになるなんて思いもしませんでした。

時々、今まで進んできた、私のちっぽけな道のりを思い返してみることがあります。そこにはたくさんの失敗と回り道、無駄そうなことが。しかし、その中でたくさんの大切な人との出会いがありました。

違う仕事に就いているときも、家で植物をたくさん育て、絵を描く。趣味の延長でしかないときも長くありました。それでもずっと好きなことを続け、真摯に進んでゆくとすっと誰かに出会ったり、チャンスがふと訪れてくれました。このことには、本当に感謝しています。

小学生の頃の図工の先生と再開して…

小さなころから、家の庭でお祖父さまと植物を育て、園芸を楽しんでいたという大野さん。

先日、私が小学生のときに尊敬していた図工の先生にお会いすることがありました。先生は、今もお元気で、私の小学生のときの話をたくさんしてくださいました。秋になると校庭のくるみ、椎の実、銀杏の実、桑の実などを食べたこと、園芸部で先生と一緒に、庭の手入れをしたことなどなど。

植物が好きだったので、ひとりで学校の庭でも過ごすことが多かった私に、よく声をかけてくれ、先生からもたくさん植物のこと、鳥や虫などの小さな庭の生き物のことを教えてもらった思い出がいっぱいあります。

子どものころ好きだったことを、大人になって仕事にできるなんて、とても幸せなことだと思いますが、仕事にしなくても、子どものころに好きなことを見つけて、それを大人になっても大切にして、どんなかたちでも続けてゆくと、きっとその人にとって、かけがえのない、たからものになることでしょう。

小さなみなさんに、それぞれのたからものが見つかるといいなと思っています。

大野 八生(おおの・やよい)
イラストレーター、絵本作家、造園家。千葉生まれ。祖父の影響から幼児のころから植物好きに。おもな絵本に『庭のたからもの』(小学館)、『きつねの時間』(蓼内明子・作 フレーベル館)など。

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