【相談募集中】異動後、元生徒の保護者から「子供が会いたいと言っている」と連絡がきたら
異動後に、元生徒の保護者から「うちの子が先生に会いたいと言っている。保護者同伴で会えないか」と連絡がきたら、どう対応すべきでしょうか。ぜひ会いたいけれども問題はないかと迷っている先生に、元中学校校長で「全国教育交流会」代表の中野敏治先生は、「ぜひ会ってほしい」とアドバイスしました。「みん教相談室」に届いた相談に対する回答をシェアします。
目次
Q.異動後、保護者同伴なら、連絡がきた子どもに会ってもいいでしょうか
異動後に、元生徒の保護者から手紙が届きました。 内容は、うちの子が先生に会いたいと言っているので、保護者同伴でお会いできないか? というものでした。 異動後ということもあり、もう先生と生徒の関係ではないので「成績などの不公平さ」には関わりませんし、保護者同伴なので犯罪につながることもないと思い、ぜひ会いたいと返事をしたいのですがいかがでしょうか?(よしの先生・40代)
A.ぜひ、会ってください
よしの先生は、学級担任あるいは教科担任として、その生徒を指導していたのでしょうね。先生が異動をしてもその生徒にとっては、いつまでも先生は先生であり、恩師です。もし、その生徒や保護者からの「会いたい」というメッセージを断ったとしたら、先生を慕ってきた生徒の思いはどうなるでしょうか? きっと、これから二度と先生に会おうとは言わなくなると思います。先生が思っているように、ぜひ、その生徒に会ってほしいと思います。
すでに先生が考えているように、必ず保護者同伴が良いと思います。異動をした先生に、保護者からも「会いたい」と伝えられたことは、よしの先生が信頼されている証拠です。
もう一つ考えておきたいのは、なぜ「会いたい」と言ってきたのか、会う前に推測しておく必要があるということです。異動した先生に会いたいのはなぜなのか。懐かしく思い出したからなのだろうか。それとも生徒が在籍している学校での悩みがあり、相談できる先生がその学校にいないからだろうか。いろいろなことが考えられます。
場合によっては、生徒が在籍している学校の先生に対する悩みかもしれません。いずれにしても、じっくりと生徒の話を聞いてあげることです。そしてその生徒の成長につながるメッセージを伝えてあげることです。その生徒は、よしの先生と話をすることで安心すると思います。
異動したからといって、もうその生徒とは関わらないというのは、教師をしていれば気持ち的にできないと思います。もしかしたら、よしの先生の本当の悩みは、その生徒が在籍している学校やその学校の先生への気遣いではないでしょうか。でも、教師は生徒中心で考えたほうが良いと思います。私たちは子供たちにとっての教師なのですから。
私が学級担任だったとき、クラスの生徒が卒業をすると、私はその生徒たちが成人式を迎えるまで、毎年、年賀状を出していました。大人になるまでつながっていようと思ったからです。また、数人の教え子たちが集まって、ミニクラス会を開いたり、私が異動した学校に生徒たちがバスで顔を出したりしたこともありました。生徒と教師の関係は、異動したからといって切れるものではないのです。
関わりをもった生徒たちとは、人生の中でずっとつながり続けることもあります。生徒に「幸せな人生を送ってほしい」と願う気持ちは、保護者も教師も同じです。一番大切にしたいことは何なのか、それは間違いなく生徒(子供)たちです。その軸が揺るがなければ、これからもよしの先生は、生徒に信頼される先生であり続けると思います。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。