宿泊行事の事前指導のお話例【松下隼司先生の音声つき】#先生のための先生のお話

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大阪府公立小学校教諭

松下隼司

高学年になると宿泊を伴う学校行事があります。友達と一緒にお風呂や食事、お泊まりをする非日常体験は子どもたちにとって楽しいものですが、教師として注意喚起しておきたい点も多くあります。この記事では、みんなの教育技術で人気連載をもつ松下隼司先生が、宿泊行事の事前指導で子どもたちに向けたお話の例、自らの失敗談を紹介します。

先生のための先生のお話

この記事は、音声プラットフォームVoicyとのコラボ企画「#先生のための先生のお話」の取組です。ここで紹介するお話は松下隼司先生のVoicyで聞くことができます。間の取り方や声色など、実際に話す時の様子がイメージしやすい音源になっているので、ぜひ参考にしてください。

宿泊行事に向けて子どもたちへしておきたいお話

もうちょっとで修学旅行やね。今から修学旅行に向けての大切なお勉強するから、よう聞いてね。
修学旅行って何のために行くんかな?
(子どもたちに問いかける)
修学旅行の目的、それはしおりに書いてあります。ねえ、もう1回しおりを読んでごらん。
(子どもたちにしおりを読ませる)
そのために修学旅行に行くんやね。プライベートの家族旅行とか、仲のいい友達同士の旅行じゃないんやね。学校として、お勉強で行くんやね。【POINT1】

今回は、普段の遠足とか社会見学と違って、楽しいことがいっぱいあるよね。そう、お風呂とか、友達と一緒に泊まるとかね。夜ご飯一緒に食べるとか。
じゃあ、お風呂で気を付けないといけないことは何かな? 家のお風呂入るんちゃうもんな。友達同士で土日のお休みの日に銭湯に行くんちゃうもんな。学校としてみんなで行くからなあ。お風呂で気をつけることは何かな? 
(子どもたちから出た意見を黒板に書く)
じゃあ次は、部屋の使い方について気をつけることは何かな? 家族で行く旅行じゃないからなあ。同じように朝ご飯、 夜ご飯で食べる時に気をつけること、これやったらあかんなっていうことは何かな?
(子どもたちから出た意見を黒板に書く)【POINT2】【POINT3】

【POINT1】宿泊行事の目的をしおりで確認する

最初に、プライベート旅行じゃないということ、学校としてお勉強で行くという、修学旅行の目的について、しおりを読ませながら子どもたちに確認させます。

【POINT2】子ども自身に、どう振る舞うべきかを主体的に考えさせる

次に、具体的な場面で気を付けることを注意喚起していきますが、ここでは「子どもから聞く」ということが大切です。こちらが事前に言わなくてはいけないこと、例えばお風呂に入る時はかけ湯をしてからとか、体を洗ってから入るとか、そういうことは思いつきますが、子どもから聞くと思いもよらないような、大人にとっては当たり前だけれど、そこまで言わないといけないのだということを子どもが教えてくれます。ですから、私は子どもからいっぱい聞くようにしています。

【POINT3】子どもの意見は写真に撮って記録する

子どもからの意見が出揃ったところで、抜けているところがあれば、教師が付け足していきます。黒板に書いた内容は、カメラで写真を撮って記録して、必要に応じていつでも見返せるようにしておきます。

「告白」には要注意

ちなみに、これについては失敗談があります。
「修学旅行で、これやったらあかんこと何?」って毎回聞いても、子どもは「告白」とは言わなかったんですよ。いや、言わないですよね。そして、僕も付け足さなかったわけです。

でも、子どもって、宿泊先で告白するんですよ。もう、あれだけプライベート旅行じゃないよって言ったにもかかわらず、子どもにとっては、お泊まり=絶好の告白のチャンスだと思っているようです。

別に告白ぐらいいいじゃないかと思われる方はいるかもしれませんが、「告白」する子がいると、周りの子どもたちはお勉強どころではありません。ザワザワし出して興奮状態になります。さらに「ヒューヒュー」とか「頑張れ!」と、子どもたちが集まってやじ馬ができます。そして、想像してください。そんな状態で失敗したら、次の日の活動がしんどくなるじゃないですか。振られたっていうショックな気持ちで、2泊3日が台無しです。せめて最終日にしてくれるとよいのですが。

だから、「修学旅行はプライベートな旅行じゃなく勉強をしに行くもの、告白はまた別の機会に」と、事前指導で伝えることをおススメしますよ!

先生は「お話」をする機会が多い職業ですよね。授業開きや行事でのお話、身体を動かすことや読書の魅力を伝えるお話……みなさんの中にあるとっておきの「お話」を、全国の先生にシェアしてくださる方はぜひ、Voicyとのコラボ企画「#先生のための先生のお話」にご参加ください。
※配信の形式にはきまりがあります。本企画のプレスリリースの最後の記載をご参照ください。

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