【相談募集中】初任者です。熱意がなくなってきてしまいました
20代教諭から「みん教相談室」へ相談が寄せられました。子どもたちとの関係は空回り、たくさんの生徒指導案件に振り回され、教材研究をやる気力さえ無くなってしまったという内容です。これに回答してくれたのは教育アドバイザー・多賀一郎先生。その内容をシェアします。
目次
Q.気力を回復して授業や子供たちと上手に向かい合う方法はないでしょうか?
初任者です。熱意がなくなってきてしまいました……。
4月当初は頑張るぞ! と思い、たくさん教材研究をし、子どもたちとも毎日のように外で遊んで、積極的に関わってたくさん褒めていました。だけど、多くが空回り、また、たくさんの生徒指導案件に振り回され、慣れないことが多くあって疲れ切ってしまいました。
最近の自分を振り返ってみると、教材研究は他の先生に授業を見られた際にちゃんとできていないことがバレてしまうほどおざなりで、子供たちとの関わりも校庭に出て遊ぶことがなくなり、いいところも十分に見つけてあげられてないなぁと思います。
職員室で、とある先生に「かまぼこ先生最近子供の愚痴言うこと増えましたよね。ちゃんといいところを見てあげなきゃ」と言われました。本当にその通りだと反省しつつ、上手にできません。家に帰るとぐったり疲れ切ってしまい、とても指導書を読む気になれないのです。休み時間も、外に出て元気に遊ぶなんて、できないのです。初任者の若さが一切生きてないですよね……。
5年生は教科担任制でやっていて、自分は道徳と学活の他には、算数と音楽しか教えていません。その状況でこれなので、来年度学級担任制の4年生以下を持ったら…‥と思うと、すでに無理だと言う気がします。かと言って、高学年のキツさももう身にしみています。
でも、せっかくつけたこの仕事、諦めたくないんです。なんとか、気力を回復して授業や子供たちと上手に向かい合う方法はないでしょうか? また、効率のいい教材研究の方法はないでしょうか? もう学年の先生には呆れられてしまっていて相談できません。しかもみんな忙しそうだし……。
(かまぼこ先生・20代女性)
A.1週間ごとに乗り切ることをめあてにして、土日にリセットして、また次の1週間、次の1週間……というように考えていきましょう
疲れておられるんですね。新任でそういう先生はたくさんいらっしゃいます。あなたの「でも、せっかくつけたこの仕事、諦めたくないんです」という言葉を大切にしたいと思います。
諦める必要は全くありません。まだ1年目ですよ。ここでつまずいたって、どうってことないんですよ。まずは、残り30日もないんですよ。何とか乗り切ってしまいましょう。
授業がうまくいかない? そんなの当たり前です。初任の先生の授業がうまくいくはずがないのですから。ともかく、3月の修業式まで、乗り切ることだけを考えましょう。
マラソンの銀メダリストの君原健二さんは、いつでも走っているときに苦しくなってくると「あの電柱までがんばろう」と思いながら走って、そこまで来たら「次のあの電柱まで」と繰り返し思いながら最後まで走り通したのだそうです。
1週間ごとに乗り切ることをめあてにして、土日にリセットして、また次の1週間、次の1週間……というように考えていきましょう。
そのリセットの仕方ですが、半日は学校のことを忘れて、友達と会ってお茶したり、温泉につかったりして、自分をメンテナンスするのです。思ったよりも気分は回復しますよ。
そして、日曜日の夜は算数の指導計画を立てます。指導書を見る気もないとのことですが、それなら、「算数好きにする教科書プラス 坪田算数5年生 (TEXT BOOK PLUS)」[坪田 耕三著 東洋館出版社]等の書籍を、そのまま真似してみてはどうでしょうか。
子どもたちと遊ぶ元気が出なければ、業間は教室で休んでいたらよいのです。その時に話しかけてくる子どもがいたら、その子たちを相手におしゃべりすればよいのです。
無理に子どもたちと向き合おうとしてもうまくいかないものです。僕にだって、そういうときがありましたよ。そんな年もあるということです。
無理な時には、がんばって無理しないことです。
そうやって1週間ずつ終えていけば、学期末なんてあっという間です。
そして、春休みになったら、十分な準備をして新年度に備えればよいのです。きっと新しい芽が生まれることでしょう。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。