【相談募集中】同じ学年のベテラン教諭が、クラス間の対立を煽るような発言をしてきます
20代教諭から「みん教相談室」へ相談が寄せられました。同じ学年のベテラン教諭から対抗意識を持たれ、それが子どもたちにも影響してしまっているという内容です。これに回答してくれたのは教育アドバイザー・多賀一郎先生。その内容をシェアします。
目次
Q. 同じ学年のベテラン教諭が子どもたちに対抗意識を煽ってきます
同じ学年クラスが対抗意識を煽ってきてめんどくさいです。大ベテランの先生と学年を組ませていただいていますが、教育上の理由よりその方の性格により、クラス間での対立というか対抗意識を子どもたちに煽ってきます。
それが運動会等のものなら良いのですが、普段の行動においても「◯組はまだやってないよ」とか「◯組は何してるんだろうね?」など言っています。それによりその方のクラスの子が、ウチのクラスの子に「〇〇まだやってないの?」等の自慢をよくしてきます。
学年で、やる内容と期日を合わせているため結果としては同じようになりますが、やり始めがその方のほうが早いため毎回このようになります。私のクラスの子はすごく人懐っこい子が多いため(その方のクラスの子も人懐っこい良い子たちです)、それらを気にせず、ついてきてくれています。
しかしやはりそういったマイナス要素はない方が良いですし、子どもたちの劣等感にも繋がらないか心配です。「じゃあお前も早くしろよ」と思われてしまうかと存じますが、発達の課題や保護者の意向等で早く行うことで困難が生じる児童が多いのが現状です。それを言おうにもお局的存在のため言えません。
とにかく、それでも子どもたちがついてきてくれる素直さへの罪悪感がものすごいです。なにか解決策はないでしょうか?
(ぺけみに先生・20代女性・5年生担任)
A. あなたは自分のしていることに誇りを持って、子どもたちを導いてください
マウントをとることでしか、自分を認められないのですね。哀しい方です。その方がお局さんならば、若い先生から働きかけるのは、無理でしょう。そういう方は、言えばなんらかの形で仕返しみたいなことをするかも知れませんから。
マウントをとるなどということは、未熟な人間のすることです。かく言う僕も、若い頃は、隣の先生には負けまいとマウントをとるようなことをしていましたから、偉そうなことは申せません。
まず、あなたが子どもたちに罪悪感を持つ必要は、まったくありません。あなたが予定から大きく遅れてしまって迷惑をかけていないのならば、健全な学級経営や授業ができているのです。子どもたちに対しても、自分がしていることに誇りを持って臨んでください。
次に、隣のクラスの子どもたちの言うことに対してです。「まだやってないの?」というような言葉は、おそらく担任の先生の影響から出てきた言葉でしょう。怖いですね、子どもたちにマウントをとることを教えてしまっているのですから。
あなたは、そんなことは気にせずに、堂々としていれば良いのです。マウントとりのかわいそうな先生なんだなと、少し見下しておいてもいいと思います。自分のクラスの子どもたちには、
「うちのクラスはゆっくりとやっていこうね。みんなでじっくりと取り組むんだよ」
と言うのもいいでしょう。クラスの子どもたちが劣等感を覚えないためにも、自分たちのクラスの方がいいのだということを、理解させないといけません。しかし、それを押し進め過ぎてしまうと、子どもたちに変な優越感を教えることになってしまい、教育としては、レベルの低いものになってしまいます。
隣を意識させないということが、一番の方法だと思います。子どもたちに、自分たちがどう生きるか、自分たちが何を大切にするのか、ということを、機会あるごとに話していくことが必要だと思います。
マウント合戦に子どもたちを巻き込んだら、あなたの大切な子どもたちが、下らない考えに染まってしまいかねません。
大切なのは、自分のクラスの子どもたちの成長だということが、大原則だということです。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。