女性担任のための「卒業式袴レンタル」知っておきたい知識とポイント

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子供たちの門出を祝う卒業式の服装として、袴を選ぶ女性の先生が年々増えています。 「晴れ着の丸昌」取締役の鹿島邦彦さんに 、袴を着るときに押さえておきたい知識やレンタルするときのポイントについてお伺いしました。

袴を着た先生

先生が着る袴スタイルの基本

シンプルな「色無地」なら間違いない

既婚・未婚を問わず幅広い年代に似合う定番の着物が「色無地」。どんな場面にも合う万能な着物で、無地の袴を合わせれば、凛とした着こなしになり、卒業式にふさわしい印象となります。

色無地の和装
定番の「色無地」で凜とした着こなし

柄を選ぶなら上品なものをセレクト

色無地以外の着物では、訪問着や小振袖といった着物を袴と合わせて着用します。落ち着いた印象を与える小花柄や古典柄など、上品な印象の柄を選びましょう。

大きな模様を大胆に配置したものや、地の色と柄の色のコントラストが極端なものなどは避けましょう。子供たちより目立ってしまったら本末転倒です。

小花柄の着物
藤色に小花柄の着物で上品に

どんな着物にも合うのはシンプルな袴

着物と同じく無地を選べば間違いありません。少しデザイン性のあるものを選ぶのであれば、柄や刺繍なら目立ちすぎないもの、グラデーションになったものなら、色のトーンの変化が穏やかなものを選ぶようにしましょう。

色で迷った時は、紺を選べばどんな着物でも違和感なく合うのでおすすめです。濃い紫、エンジや黒も定番です。緑やグレー、茶を選ぶとモダンな印象になります。

無地の袴セレクション
無地の袴セレクション
グラデーションと柄の袴
アクセントがありつつも落ち着いた雰囲気の袴

履物

草履を履きます。オプションでレンタルも可能です。ブーツはカジュアル過ぎるため避けましょう。

ヘアスタイル

言うまでもないことですが、盛りすぎのヘアアレンジや派手な髪飾りは避け、清潔感のあるシンプルなスタイルにしましょう。

着物と袴のカラーコーディネート

袴と着物の色を反対色に近い組み合わせにするとハツラツとした雰囲気に、同系色の濃淡の組み合わせにするとシックで落ち着いた雰囲気になります。

TPOを逸脱しない範囲内で、ご自身のキャラクターに合ったものをあれこれ検討してみるのも楽しそうですね。

反対色に近い合わせの袴スタイル
反対色に近い合わせでハツラツと
同系色の着物と袴を合わせたスタイル
着物と袴を同系色にすれば落ち着いた印象に

必要な専用小物

袴と着物を着こなすためには、専用の小物が必要です。聞き慣れないアイテムも多いと思いますので、この機会にどんなものなのか知っておきましょう。

着物の専用小物

長襦袢(半襟付き)

着物の下に着用する着物。通常、着物の衿が汚れるのを防ぐための半衿を付けて使用。汗や垢などで着物が汚れるのを防ぐ。

重ね襟

伊達衿とも呼ばれるもので、着物を重ね着しているように見せるために、着物の衿の内側に重ねて使う。着物の雰囲気や顔映りを左右する重要なコーディネートアイテム。

袴帯

袴の下に締める帯で、着付けのためだけでなく、袴と着物の間から色柄を見せてコーディネートを楽しむアイテムでもある。

足袋

白いものを選ぶ。

肌着

窮屈すぎない下着を用意する。

着付け用小物(腰紐、伊達締め、着物ベルト、衿芯)

腰紐

長襦袢や着物を安定させるために巻く細めの紐。

着物ベルト

腰紐と同じく、長襦袢や着物を安定させるために使うゴムベルト。両端のクリップに着物を挟んで使う。

伊達締め

長襦袢や着物の上から巻き、着付けが緩んだりズレたりしないように押さえる。形状や素材はさまざまなタイプがある。

衿芯

長襦袢に取り付ける半衿に入れ、衿の形状を整える役割をする。衿がしっかりするので、衿元がきれいに整う。

フルセットでレンタルすれば必要な小物の漏れもなく安心です(セット内容は業者によって違うので、よく確認しましょう)。肌着と足袋は別途購入の業者が多いようです。卒業式の参列には、巾着は特に必要ありません。

注意!
フルセットレンタルでは、半襟はあらかじめ長襦袢に取り付けられていますが、着物を自分で用意する場合、長襦袢に半襟を縫い付ける作業が必要になります。

立ち居振る舞いは上品に

階段の昇り降り

袴の両サイドにあるスリットから手を差し込み、ふんわりと袴を持ち上げて、裾を引きずらないようにします。

昇りは前を持ち上げる

ふんわりと袴を持ち上げます

降りる時は後ろを持ち上げる

後ろ姿も気を抜かず
スリットに手を差し込みます

いすに座るとき

袴の両サイドのスリットから手を差し込み、袴の後ろを持ち上げて余裕をもたせてから座れば、着崩れを防げます。

袴の後ろを持ち上げて余裕をもたせて…
着崩れずに綺麗に座れます

袴を外側からつまむのは不作法なのでやめましょう。

レンタルQ&A

晴れ着の丸昌の鹿島邦彦さんに、着物と袴のレンタルについて、気になることを聞いてみました。

袴をレンタルするメリットは何?

着付けに必要な付属小物がすべてセットになっているので安心です。また、着用後のお手入れや保管に気を遣わないですみます。インターネットで簡単に手配できます。

いつごろ予約すればいい?

年明けくらいから注文が入りはじめるので、好みのものを確実に予約するには、1月末くらいまでには予約するとよいでしょう。遅くとも2月末までには注文した方がいいと思います。

料金はどれくらい?

先生が着る卒業袴は、保護者の気持ちを考えると、華美すぎるものは避けたほうがよいでしょう。先生にふさわしいベーシックなフルセットで1~2万円が相場です。無地の袴と帯だけのセットは6000円くらいからあります。丸昌では、フルセット2万円前後、袴は8000円~になります。

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お気に入りの着物と袴を装えば気分もより晴れやかに、子供たちを送り出す祝福ムードも一層盛り上がること間違いなしです!

晴れ着の丸昌 より耳寄り情報
「先生会員」の情報登録で、通常料金より15%OFFでレンタルできます。入会金・年会費は無料。詳しくはこちらから

協力/晴れ着の丸昌
取材・構成・イラスト/したらぼ

『小六教育技術』2016年2/3月号より

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