【相談募集中】全く運動ができない私でも、小学校教師になれますか?
小学校教師を目指す高校生から、「みん教相談室」に質問が届きました。運動が全くできないのに、小学校の先生になれるのかどうか、心配しているそうです。ここでは、大阪府の公立小学校で12年間勤務後、大阪府箕面市教育委員会に勤める日野英之先生からの回答をお届けします。
目次
Q.全く運動ができない私でも、小学校教師になれるのでしょうか。
私は小学校の先生を目指している高校生です。私は全く運動ができなくて、体育の授業でも周りについていけてません。留年しないように、なんとかお情けで体育の評定をもらっているようなレベルなのですが、そんな運動音痴な人でもなれるのでしょうか? 大学入学後、体育の授業にはついていけるのでしょうか? ちなみに、逆上がり、跳び箱ができません。
(ゆめかさん・10代女性)
A.安心してください! まったく問題ないどころか、強みになり得ます。
専科制が増えてきたと言っても、小学校の教員は中学校の教員に比べると多くの教科に関わりますもんね。ゆめかさんの悩みはよくわかります。
私もピアノは演奏できない、絵を描くことが苦手、グリンピースが食べられない(笑)……弱点を挙げればキリがありません。そんな私でも次に示すことを心がけ、小学校教諭という職を全うすることができました。ゆめかさん、安心してください。
- お手本役は子どもが!
- 苦手だからこそ、子どもたちが取り組む姿や作品を褒めまくる!
学級に1人や2人はピアノを習っている子がいます。
「こんな難しい伴奏、できないよー。誰かチャレンジできる子いる?」等と促すと、子どもたちは誇らしげな顔して挑戦してくれます。また演奏ができない姿や失敗の姿を見せることで、「失敗してもいいんだ!」「できなくて当たり前なんだ!」と子どもたちは意欲的に取り組む姿を見せてくれます。
また、自分ができないことは、とても低い到達ラインで自然に子どもたちを褒めることができることも、大きな長所になります。高学年にもなると、「こんなに褒めてくれた先生、初めて!」と言って喜んでくれます。みんな自信を持って取り組むようになります。
学級は、ゆめかさん1人だけではありません。学級づくり、授業づくりはゆめかさん一人で行うものではないのです。逆上がりができない、跳び箱ができないことはむしろ、ゆめかさんの大きな武器となる可能性があります。
ゆめかさんのような方が先生になられることで救われる子どもたちが、きっとたくさんいることでしょう!