学習発表会を成功させる8つのカギ <学芸会台本付き>

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東京都公立小学校教諭

佐々木陽子

コロナ禍以降、中止や縮小されていた学習発表会が再び開催される小学校が増えています。学習してきたことを発表し、自分の成長を家の人に見てもらうことで学びのモチベーションが上がるという学習発表会の成功のカギを東京都公立小学校主幹教諭の佐々木陽子先生に教えていただきました。実際の学習発表会・学芸会編の準備から本番までの流れとともに留意点を紹介します。学芸会のオリジナル台本をダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

執筆/東京都公立小学校主幹教諭・佐々木陽子

学習発表会とは

学習指導要領に示されている文化的行事である学芸会、音楽会、展覧会(作品展)、学習発表会などは時代の変化や昨今のコロナ感染症の影響などもあり、各学校で見直しが図られています。練習や準備にかかる時間を縮小して、日頃の学習の成果を発表しようという意図から学習発表会を行う学校が多いのではないかと考えます。

もちろん、今まで通り特別な準備や指導を行う学芸会や音楽会、展覧会(作品展)などを開催する学校もあります。その反面、準備に時間がかかる学芸会をやめた学校もあります。また、1年ごとに展覧会(作品展)と音楽会を交互に行ったり、展覧会(作品展)と音楽会を学年ごとに振り分けて同時に行ったりと内容も様々です。

学習発表会は、当該学年の学習してきたことを発表し、自分の成長をおうちの人に認めてもらうことで今後の学びのモチベーションが上がります。担任としても日頃の学習の成果を見ていただけることで保護者への信頼につながります。また、発表する教科が決められていないので、学年によって発表したい教科を選べるのがよいところです。

準備

カギ1  大まかなスケジュールを立てることが初めの第一歩!

各学校では、特別活動部、行事委員会など行事に関しての分掌があるかと思います。その中で提案される全体のスケジュールをもとに、各学年でも話合いの場を設けて大まかなタイムスケジュールを組んでいきます。

練習

カギ2  解像度を上げて役割分担!

「カギ2 解像度を上げての役割分担!」は、先生たちの役割分担のことです。なんとなく練習に入り、なんとなく指導をしていては時間が足りません。全体指導は学年主任が担うとして、「台詞の抑揚の指導を重点的に〇〇先生が指導」「子供の立ち位置の確認を〇〇先生が確認」「記録のためにビデオ撮影を〇〇先生」などあらかじめ一人一人の役割を、解像度を上げて具体的にしておくと練習に力が入ります。音楽や図工であれば、指導の中心となる専科先生と事前に話し合い、担任は何を指導するとよいのかを確認しておきます。

カギ3  その日のめあてを即決!

「カギ3 その日のめあてを即決!」は、学習発表会を始めるときに全体的なめあてを書きます。その日のめあては、もっと具体的に今日は何の練習をして、どんな成果を上げたいのかを明確に書きます。めあてもその日に即決のほうが、練習に向かう意欲も高まります。練習用のめあてカードを作成して児童に配付しましょう。

カギ4  ワイワイタイムを開催!

「カギ4 ワイワイタイムを開催!」は、練習をやりっぱなしにしないで、グループごとに発表をして感想を伝えあったり、成果や課題を話し合ったりする場を設定することで、お互いのよさや次への練習の手立てが鮮明に理解できます。また、普段の学習からワイワイタイムで友達の得意なところやすてきなところを認め合ったり、励まし合ったりすることで、クラスが温かい雰囲気になります。友達からのアドバイスは宝物ですから、どんどんワイワイタイムを開催しましょう。

本番

発表前に別の部屋で最終確認をします。声出しや動作確認、衣装の点検をします。低学年は特にトイレから出てきて、シャツを入れ忘れたり、ボタンを止め忘れたりなどしますので要注意です。
本番は、どんなに練習を重ねても大勢の前で発表となると緊張する子が多いものです。ガチガチに緊張してしまってはせっかくの練習も水の泡です。担任は、緊張を解いてリラックスできる雰囲気づくりに徹します。

本番にリラックスできる環境づくり

カギ5  教室に音楽を!

「カギ5 教室に音楽を!」は、朝から教室に音楽を流しておくことです。子供は「おはようございます」と教室に入ってくるなり、心地よい音楽が流れてくると緊張がほぐれます。はやっている曲やクラスで人気のある曲を流すだけでも大喜びです。

カギ6  真似っこ体操!

「カギ6 真似っこ体操!」は、本番前に少し体を動かすだけでも緊張から解放されます。先生の体操を真似しようと言って、ラジオ体操でもよいですし、両手をぐるぐる回したり、深呼吸をしたりするだけでも違います。体を動かして緊張で冷たくなった体を温めましょう。

カギ7  一致団結の一声!

「カギ7 一致団結の一声!」は、本番直前に行います。1人がみんなのために、みんなが1人のためにがんばって練習してきた成果を見せるときです。全員が心を1つにして「えいえいおー!」「成功するぞー!」など、一声を出すことで発表への自信がわいてきます。クラスで円陣をつくってもよし、担任が先頭に立って一声を出してもよし、みんなで会を盛り上げていくことで緊張感が吹き飛びます。

振り返り

カギ8  感動を共有して次に生かそう!

自分たちの反省点は、練習の時点からいろいろ出てきます。それを乗り越えての発表会ですから、本番は褒めるところだらけになるはずです。その演出を担任が率先して行うことです。
学習発表会が終了したら、子供たち一人一人に声をかけて、褒めて認めて自信を付けさせてあげましょう。そのことがきっと成長の糧になるはずです。

また、宿題の感想文や振り返りカードに保護者からの一言の欄を入れておくことがおすすめです。自分たちで感動や感想を共有するだけではなく、見に来てくれた保護者からのメッセージももらいましょう!

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学習発表会・学芸会編 準備から本番までの流れ

学芸会の準備から本番までの流れと留意点を知って、学芸会を有意義なものにしましょう。

1、台本を用意する

台本はオリジナル台本をつくってもよいし、市販のものを学年や目の前の子供たちに合わせて、つくり替えてもよいでしょう。

2、学年集会を開き、全員が台本を黙読する

台本を黙読することによって、筋書きを知ることができ、配役のイメージも分かります。他校や自校で過去に行った映像が用意できる場合は、鑑賞します。担任が読み聞かせをしてもよいでしょう。

3、配役の確認と全員が舞台に立ち、一人一言は表現できることを確認する

全員が舞台に立って、一人一言を必ず言えるような台本になっているかどうかを確認します。セリフが足りないときは配役やセリフを追加しましょう。

4、オーデションの日時と場所を伝える

合格基準や用意する衣装も含め、学年便りなどで、必ず保護者にも連絡しておく。

<合格基準>
学習態度
声の大きさや抑揚
顔の表情
身体の動き
 など総合的に判断する。(必要であれば歌やダンスも)

5、グループ練習、全体練習

円式、対面式、トライアングル式などでグループ練習を適宜行って、全体練習をしましょう。

6、練習の後は、振り返りをして本番に生かす

現在は、キャリアパスポートがあるので、大きな行事の振り返りなどはそのファイルに保管していきます。自分だけではなく友達のよいところに着目させて発表し、協働的な学びにしましょう。

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7、本番前日は、早く寝るのが宿題

本番の前日は、早く寝ることが大切なので、そのことを子供に伝えて宿題にします。衣装や準備物は学校置きにします。

<オリジナル台本『かみなりさまに なっちゃった!』>

作:佐々木陽子

構成/浅原孝子 イラスト/セキ・ウサコ 畠山きょうこ 岸本眞弓


学芸会指導のポイントと極意が分かる!

【教育技術MOOK】
台本選びから演技指導・演出法まで
台本選びから学芸会の指導 ~成功への道筋~

「特別活動」指導の大ベテランによる学芸会指導の指南書です。この1冊で学芸会指導のポイントと極意がすべて分かります! 子供の主体的・協働的な学びにつなげる工夫が満載。巻末には、低・中・高学年別のオリジナル台本と「おすすめ台本一覧」付き。

著/清水弘美
B5判/112頁 定価1540円(税込)
ISBN 9784091050397


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