発表を見合い認め合う「学習発表会」

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この時期は、学習発表会や芸術に親しむ行事作品展示などを行っている学校も多いと思います。コロナ禍で活動を制限される日々が続きますが、これまでの学習の成果を発表することは、子供たちにとって大きな成長のチャンスです。これまでのがんばりを認め合い、さらにがんばりたいという向上心をもてるように、指導しましょう。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・阿部美弥

学習発表会に向けてのステップ

❶活動のめあてをもつ

活動内容やめあては、子供たちとよく話し合って、そのつぶやきから子供たちの思いを尊重して決めましょう。

❷活動内容を決める

学級で発表のめあてが決まったら、そのめあてを達成できる内容は何かを、子供たちと話し合って決めます。

❸準備をする

活動の内容が決まったら、学級内で役割分担をします。いつまでに、何が、どのようにできていればよいのかといった見通しがもてるよう、計画カードを活用することも考えられます。

計画カード例

また、発表はグループごとにするか、一人ひとりにするかなども決め、グループごとの場合はグループとしての計画表と個人の計画表を用意し一人ひとりのめあてを明確にしましょう。できたら子供たちがシールを貼ったり、先生がスタンプを押したりして、励みになるようにしましょう。

❹発表する

当日は、子供たち全員が活躍できる場を設定します。発表順の紹介なども子供たちが分担し、一人ひとりが輝くことができるようにしたいですね。

❺ふり返る

発表の後はふり返りを必ず行います。ただ「楽しかった」「がんばった」といった感想だけではなく、「めあてについてどうだったか」をふり返るようにします。めあてに対して「自分たちでできた」と感じ、達成感をもてるような時間にしたいですね。また、がんばったことを子供同士でメッセージカードを送り合ったり、教師が価値付けしたりすることで、さらなる向上心をもてるようにします。

学習発表会(校内展示)での認め合いの工夫

これまでの学習の成果を発表し、子供たち同士でよさを認め合えるような場を設定したいですね。ここでは、コロナ禍でもできる校内展示などでの認め合いの工夫を紹介します。

校内作品展 図工

絵画や工作などの作品に親しみ、優れた点や友達のよさに感動できるような機会にしたいものです。みんなで見合い、認め合う工夫には例えば、次のようなものがあります。

❶作品を見て、鑑賞カードを書く

鑑賞カードに作品のよさを書いて届ける方法があります。全校で校内作品展をする場合、統一したカードにすることも考えられます。

鑑賞カードの例

鑑賞カードを書く際には、ペアの学級や友達を決めるなどの工夫も考えられます。全員にカードがしっかりと行き渡るように配慮したいですね。

また、鑑賞する際は、ただ感想を書くだけでなく、鑑賞のポイントを事前に指導しておくことが大切です。

鑑賞のポイントの例

  • 図工の要素 発想や技能
  • よいと感じたところとその理由
  • 作品のテーマに関すること
  • 自分も真似したいところ など

❷ふり返りと価値付け

鑑賞カードを友達からもらった後は、もらってどうだったか、また、この作品展のめあてについてふり返ります。友達からのカードをもらうと充実感がもてると思います。そこへ教師が「作品のよいところがたくさん伝わったのだね」「友達のよさをたくさん見付けられたね」と価値付けをすることで、さらに達成感をもてることでしょう。

学習発表展示 総合など

例年できていた校内の学習発表会の場が、校内展示になっている学校もあると思います。教科学習でこれまでに学んだことをポスターなどにまとめ、見てもらうことで達成感を得るように工夫をしていきましょう。ここでも発表展示を見終わった後によかった点を伝え合う、認め合いの場をもつようにしましょう。

感想カード例

よさを見付け伝え合うことで、一人ひとりが達成感や満足感を味わうようにします。カードを児童が記入した後は、担任が責任をもって必ず目を通します。書かれている内容や表現が適切であるか、受け取る友達がいやな思いをしないかなど、事前に指導をすることが必要になります。

イラスト/山本郁子

『教育技術 小三小四』2021年10/11月号より

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