【相談募集中】反抗的な態度をとる子どもに効果的な指導はありますか？

赴任先で３年生を受け持つ女性教諭から「みん教相談室」に相談が寄せられました。先生方に対して反抗的な態度をとる子どもたちに、どういった指導が有効なのかという相談内容です。これに対し、愛知県公立小学校教諭・八神進祐先生は中学年ならではの発達段階を踏まえた、具体的な声かけなどをアドバイスしました。その内容をこちらでシェアします。

Q. 子どもたちが反抗的で学級経営がうまくいっていません

新しい学校で３年生の担任になったのですが、言うことを聞かない子ばかりでとてもいい学校経営の状態とは言えません。前担任に話を聞くと、昨年度まではそんなことはなかったと言っています。

いろいろな場面を観察してみると、前担任の言うことだけは聞けるのですが、その先生以外の先生方の言うことは一切聞く様子はなく、補欠で入ってくれた教頭先生や教務主任の先生に対しても、とても反抗的な態度をとっていました。

学童の先生方からも毎週のように、言うことを聞かなくて困っていると苦情が学校に寄せられてきます。 厳しい指導も、かなりしているのですが、効果がありません。何か良い方法はありませんか？
（うみんちゅ先生・30代女性）

A. 発達段階を踏まえた、肯定的な声かけや対応がカギ

うみんちゅ先生、その困難な状況をお察しします。ご経験も豊富なうみんちゅ先生が苦労されているとのことですので、おそらく原因は複雑で多岐にわたるのではと想像します。僭越ながら、私なりにいくつかの提案を述べさせていただきます。

まず考えられる原因の一つは、子どもたちが「ギャングエイジ」と呼ばれる発達段階にいる可能性があるということです。これは児童が周囲の目を強く意識し、グループ内での地位を確立しようとする段階を指します。この時期の児童は、大人を挑発することで自分自身を強く見せようとする傾向があります。

その結果、新しい先生や管理職に反抗的になることが多いです。また、新年度になり環境が変わると、過去の居心地の良さを求める傾向があります。これらの要素が組み合わさることで、ご相談のような現状が生まれているかもしれません。

例えば、次のような声かけはいかがでしょうか。

「２年生の時はとても頑張っていたんだね。〇〇さんのこと、３年生でも期待しているよ」

という声かけをします。この声かけには３つの工夫があります。まずは「ほめる」こと。児童の過去の成功体験を認め、ポジティブな行動を強調します。次に「名前を呼ぶ」こと。個々の児童を認識し、その存在を特別に感じさせます。そして最後に「期待する」こと。児童が自分自身を超えて成長できることを信じ、その可能性を示します。

ほかにも

「前の担任の〇〇先生から、お楽しみ会などの話合いをみんなの力だけで決めてたと聞きました。凄いですね！」
「算数の勉強を頑張っていたんだね。３年生はもっとできることが増えますよ。楽しみですね」

など、前の学年を引きずっている子がいた場合は、場面場面で昨年度の成功体験を想起させるのも一つの手かもしれません。

私は３年生は「挑戦心が育まれる時期」ととらえています。例えば、教科であれば社会や理科、総合的な学習の時間が始まります。子どもたちは「どんな学習内容なんだろう」と不安以上に期待を込めていると思います。そちらに目を向けさせて、挑戦したことをほめる、未来の姿に期待を込めて応援し続けるというのはいかがでしょうか。

他にも、低学年だった時期は担任の先生が様々な場づくりを整えるということがあるかと思います。３年生になった彼らには、「自分たちで計画し、達成する」という「挑戦」を大いに応援してあげることを担任として意識されてみてはいかがでしょうか。この姿勢を持ち続ければ、「過去」を見つめることなく、「今」を一生懸命に生きるようになり、やがて「未来」や「将来」の自分に期待を持って生活できる子が増えてくるのではないでしょうか。

今回はご相談いただきありがとうございました。大変難しい内容ということは重々承知しております。実情が分からず見当違いのことを述べているかもしれません。上記の提案は一部の子供たちには効果的かもしれませんが、他の子供たちには必ずしも当てはまらないかもしれません。

すべての子どもに対する魔法の解決策は存在しないと思いますが、私の提案の中から、少しでも参考になることがありましたらこれほど嬉しいことはありません。うみんちゅ先生や子どもたちにとって、素晴らしい一年間になることを心より願っています。

みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。