卒業式アイデア|保護者を迎えて「卒業謝恩会」を開こう!
卒業式は6年生にとって晴れの行事であると共に、小学校生活で成長した姿を親に見せる大切な機会です。今までの感謝を込めて6年生の子供たちが保護者を招待し、卒業謝恩会を開いた先輩教諭のアイデアをご紹介します。
目次
卒業謝恩会までに段取りをしたこと
親へ感謝の気持ちを伝えよう
小学校では、親子が交流する機会があまりありません。卒業謝恩会を開くことで、保護者へ感謝の気持ちを近い距離感で伝えられるだけでなく、卒業式までの日々を共有し、喜び合う時間をつくることをねらいました。
「卒業前にいつもしていないような新しい試みをすることにより、ともすれば、流れるように過ぎていく卒業式までの日々に新鮮味を加えられると思います」(津田先生)
学年PTA活動の機会を利用し、ちょっとした会食もOKに
学年PTA活動の機会を利用することで、PTA委員が主催する催しとなります。卒業謝恩会を開くには、
- 子供は親への感謝の手紙を書く
- 保護者、学年PTA委員、学校管理職に依頼する
という段取りを事前にしておけば実施することができます。保護者には、年度最後の授業参観後の懇談会などで卒業謝恩会を開くことを伝え、参加してもらうようにお願いをしておきます。学年PTA委員には、6年生担任一同の名義で協力依頼文を送ります。
保護者には、書いてもらう手紙の趣旨を示し、文例を提供して、手紙を書いてもらいやすい状況をつくるようにしました。
卒業謝恩会の具体的な進行アイデア
卒業謝恩会の最もシンプルな内容は次のようになります。
- 子供が司会進行を行い、まず写真や映像で1年生から6年生までを振り返る
- 合唱や詩の朗読のプレゼント
- 手紙の交換
・子供が親の前に立ち、手紙を読む
・親が子供へ手紙を読む(サプライズで)
所要時間は1時間から1時間30分程度。内容次第で長くも短くもできます。写真や映像を見せるときには、担任が独自に撮ったものに加えて、キャリアパスポートを画像にしてスライドで見せてもいいでしょう。
ある年度の卒業謝恩会では、1年生のときからクラスの歌を歌うようにしていたので、子供が保護者に6年間のクラスの歌を披露したこともあり、2時間を超えたそうです。
逆に、手紙の交換を行うだけならばもっと時間を短くすることもできます。
「手紙の交換時にはBGMを流すことも忘れないようにしてください」(柳井先生)
新型コロナ禍の影響がなければ、お菓子やジュースを提供することも可能です。学年PTA委員の方に相談すれば、PTA活動費からお菓子やジュース代を出してもらえるはずです。
卒業謝恩会を開催して
謝恩会当日、子供から親への手紙の朗読をした後、「実は、私も手紙を書いているのよ」と、親に告げられると、子供たちからは歓声が上がりました。子供の多くは感激の涙を流して親の手紙の朗読を聞きました。
「人々の関係が分断される新型コロナ禍に襲われている状況だからこそ、卒業の喜びを学級のみんなで分かち合う時間が貴重なものになるのではないでしょうか。このアイデアを発案し、同僚であった今は亡き大久保利詔先生に敬意を表します」(津田先生)(柳井先生)
今回の卒業謝恩会では、保護者がわが子へ手紙を読むというイベントを子供たちに秘密で行うことがポイントです。すべての子供に手紙が読まれることが前提となりますが、なかには事情により保護者が参加できないこともあります。その場合は別の保護者が代読するという方法で、全員の子供が保護者からの手紙を受け取れるようにしました。
取材・文/高瀬康志