小4らくらくUnit 8「This is my favorite place.」③【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業
小4【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」。今回は、Let’s Try! 2 Unit 8「This is my favorite place. お気に入りの場所をしょうかいしよう」第3時(日本の学校と外国の学校の同じところや違うところは何かな?)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材ひとつで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学校4年生の「Let’s Try! 2」のUnit 8「This is my favorite place. お気に入りの場所を紹介しよう」全4時の3時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

【本時の目標】
日本の学校と外国の学校の同じところや違うところは何かな?
【単元のゴール】
学校で好きな場所の理由と道順を紹介しよう!
【単元目標】
〇世界と日本の学校生活の共通点や相違点を通して、多様な考え方があることに気付くとともに、教科名や教室名の言い方や道案内の仕方に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇自分が気に入っている校内の場所に案内したり、その場所について伝え合ったりする。(思考力・判断力・表現力等)
〇相手に配慮しながら、自分が気に入っている場所について伝え合おうとする。(学びに向かう力、人間性等)

【言語材料】
○Go straight. Turn [right / left]. Stop. This is (the music room). This is my favorite place. Why? I like (music).
○favorite, place, my, our, go, why, straight, 学校・教室等(classroom, restroom, [science / music / arts and crafts / computer / cooking] room, [school nurse’s / school principal’s / teachers’] office, entrance, library, gym, playground)
[既出]挨拶、曜日、スポーツ、This is for you. Do you like (blue)? Yes, I do. / No, I don’t. turn, right, left, lunch, school

  1. 挨拶
  2. 前時の復習(2アクティビティー)
  3. Let’s Chant
  4. デジタル教科書P32 Let’s Watch and Think②→めあて
  5. ALTの国の学校ツアー
  6. ふりかえり

各活動の流れ

①挨拶

②前時の復習

前時に扱った各教室等の復習を2つの活動で振り返りましょう。

1.まずは、Let’s say it together.と言ってALTや教師に続いて児童に発音させましょう。

2.次のカードを使った活動は1時目のものと同じです。前時に児童のタブレットに保存していた発音の確認できるパワポを授業開始時から開かせておくとよいでしょう(発音確認用のパワポは、記事の最後でダウンロードできます)。

また「前回よりも1つでも言えるようになるといいね」と前時の自分よりも成長できるように声かけをしましょう。「4時目には言えるようになっているといいね」その程度でよいと思います。単語を覚えることを強制していくと児童にとって負担も大きく感じさせてしまうこともあります。

③Let’s Chant

④Let’s Watch and Think②(デジタル教科書P32)→めあて

デジタル教科書を視聴し、外国の学校と日本の学校の共通点や相違点など気づいたことを教科書の□に記入させましょう。気付いたことを発表させ、本時のめあてへとつなげましょう。

本時のめあて→日本の学校と外国の学校の同じところや違うところは何かな?

⑤ALTの国の学校ツアー

デジタル教科書を視聴し、めあてを確認したら、いつも外国語を教えてもらっているALTの先生の国の学校の様子を紹介しましょう。私は以下のように児童とやり取りをしながら進めてみました。参考にしてみてください。まずはALTの先生が小学生の頃の写真を提示します。

Look at the picture. Who is this?

え? だれ?

She is here.(と言って、ここにいるでしょ、のようなジェスチャーを見せる。)

え? 〇〇先生(ALT)

Yes, this is me!

かわいい!

I was 10 years old. This is my lunch box.
I had an apple, sandwiches, chips and iced tea.

えー、ポテトチップを学校に持っていけるの?

ここで簡単に、どんなチップスが好きか、児童とやり取りしてもよいでしょう。

This is my school.(ここでALTの先生の学校の写真があれば提示しましょう。)

○○小となんか違うね。/○○小と似てるね。

This is the music room. This is the gym.

と言いながら、ALTの先生の学校の様子を紹介していきます。児童は目を輝かせてALTの先生の話を聞いています。やはり本物の教材は効果的ですね。

体育館のところで、ALTの先生のドイツの学校にはボルダリングの設備もあったということなので、以下のスライドを見せて児童に何があるか考えさせました。もし出てこない場合は、ジェスチャーを見せるとすぐに児童は気付くことができました。

えー! いいな!

Yes, this is my favorite place. I like sports.
O.K. Now, let’s go to the tour!

実際に授業を行った時は、ドイツ人のALTの先生の小学校が学校紹介動画をYouTubeで公開していたので、それを視聴させました。

ご自身の学校のALTが、自分の卒業した学校の静止画を準備できればよいと思います。動画もあるかもしれないので、ALTの先生に尋ねてみるとよいでしょう。動画ならば、より臨場感もあり、児童はさらに引き込まれます。その時に使ったYouTubeのリンクがこちらです。参考に見てみてください。この動画はドイツ人の小学生がドイツ語で学校紹介をしているので、授業では英語で教室名を表示しながら行いました。日本以外の学校の様子は、児童も見る機会がないので、興味津々に視聴していました。

動画を見て日本の学校との共通点や相違点をワークシートに記入させましょう。児童の意見を発表させ、最後に自分の学校のよいところを考えさせましょう。外国の学校はこうだと、ステレオタイプにならないように留意する必要があると思います。可能であれば We have ○○. の形で発表できるとよいと思います。

イムラ先生のポイント解説
本物の言語材料 “Authentic Materials”

オーセンティックな言語材料とは、学習目的ではなく、母語話者用につくられた言語材料のことで、TV番組、動画、映画、写真、絵画、イラスト、新聞記事、雑誌、ちらし、ポスター等などがあげられます(Shepherd, 2022)。
Richards(2001)によれば、オーセンティック教材は、言語学習に次のような効果をもたらすと言われています。
1.学習者の動機付けを高める効果2.異文化に触れさせる効果3.本物の言語に触れさせる効果4.学習者のニーズに近づける効果5. 指導をクリエイティブにする効果などです。
「本物の教材」を使用することは、小学校の「外国語」の学習にも大変有効で、子どもの興味関心を引き出すだけではなく、より自由度のある「やり取り」を促すことができるでしょう。
ここでは、「日本の学校と外国の学校との違い」に気づかせることを目的として、ALTの先生の子どもの頃の写真を見せたり、小学校時代のスクールランチについてQ&Aをしたりしています。またドイツの学校の動画を視聴し、体育館にある設備の違いについて、We have ~ in the gym.というフレーズを使って、やり取りをしています。子どもたちにとってはまさに興味津々の題材で、自然で生き生きとした会話につながっていますね。
Shepherd, S. (2022, December 18.) Using authentic materials. British Council. Retrieved from Using authentic materials | Teaching English | British Council | BBC Richard, J.C. (2001). Curriculum development in language teaching. Cambridge University Press.

自分の学校のよいところの発表を児童が終えたら、教師やALTから勤務校の素敵なところを伝えましょう。

Mr. Motoyoshi, where is your favorite place?

Where is my favorite place…O.K. I like the playground. I like green 芝生.

Yes, that is so beautiful.

How about you? Where is your favorite place?

I like the playground.

Oh, you like the playground. Why?

I like dinosaurs. I like pink dinosaurs.

ん? 恐竜?

あー、南グラウンドの恐竜のことだよ。

児童自身が当たり前と思っているものも、他の学校での勤務経験がある教師や外国から来たALTには素敵だなと感じるものも多いでしょう。私自身、前任校には、これまでの学校にはなかった芝生が校庭にありました。実際、児童は他校と比べることがないので、教師やALTが “You have 芝生, so beautiful.” とか、教師が「先生も芝生が素敵だなって思いました。他の学校にはない素敵なところですね」などと伝えることで児童が気付かなかったことにも目を向けさせることができると思います。

最後に、Where is your favorite place? 次の時間はみなさんの学校の好きな場所を教えてくださいね、と伝えましょう。

⑥ふりかえり

本時のめあてから振り返りを行いましょう。児童の感想を全体で共有し、称讃しましょう。

居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。

本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。

パワーポイント(スライド)ダウンロード

※ダウンロードデータのサンプルをご覧になりたい場合は、こちらの記事にある無料ダウンロードを参考にしてください。

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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