小1算数「いくつといくつ」指導アイデア(1/7時)《6の構成の理解》
執筆/福岡教育大学附属福岡小学校教諭・石橋大輔、福岡教育大学附属福岡小学校教諭・曽根﨑達雄
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏
目次
本時のねらいと評価規準
(本時1/7)
本時のねらい
おはじきの数当てゲームを通して、6がいくつといくつでできているのかを、捉えることができる。
評価規準
6について構成を理解し、6を分解することができる。(技能)
場面把握と解決の見通し
(場面)
ここにおはじきが6個あります。一緒に確かめましょう。
1、2、3、4、5、6。
今から、数当てゲームをするよ。
(6個のおはじきを両手に分けて握り、子供から見て右にあるおはじきを見せる)
右には2個ありますね。では、左にはいくつあるでしょう。
わからない。
4個。
(右手にあるおはじきを見せる)
1、2、3、4。正解です。6は2と4でできていますね。数当てゲームをしながら、6は、いくつといくつからできているのかを見つけましょう。
本時の学習のねらい
6は、いくつといくつでできるのか、数当てゲームで見つけよう。
自力解決
子供には片方のおはじきを見せて、握って隠れているおはじきの数を当てるゲームであることを伝える。また、おはじきを操作しながら考えられるように、数を当てる子供にも、6個のおはじきを用意しておくとよいでしょう。

A:つまずいている子
おはじきを操作しても、隠されているおはじきの数を当てることができない。
B:素朴に解いている子
6個のおはじきから、見えたのと同じ数のおはじきを除き、残りを数えている。
C:ねらい通りに解いている子
見えているおはじきを数えるだけで、見えていないおはじきの数を当てている。
集団解決
集団解決では、数当てゲームの結果から、6は、いくつといくつでできているのかをまとめていきましょう。
集団解決の例
数を当てることは、できましたか。
全部当てることが、できました。
では、左手がいくつだったときに、右手がいくつだったのかを発表してください。
左手が4のときは、右手は2です。
つまり、6は何と何からできていると言えますか。
6は、4と2です。
他にもありますか。
左手が5のときは、右手は1です。
6は、5と1でもできます。
・
・
・
もうないですか。5通りで全部ですか。
順番に並べ変えたら、わかりやすいよ。
順番に並べるとは、どういうことですか。
左手にあるおはじきの数を、1、2、3と書いていくとわかりやすいよ。
左手が1のときに、右手が5、次に左手が2のときに、右手が4ということですか。
はい。そうです。
あっ。左手が1、2、3、……と順番になっていて、右手はその反対で、5、4、3、……になっている。
やっぱり、全部で5通りだね。

まとめ
6のつくりかたは、たくさんある。
評価問題


解答
① 4
② 3
③ 5
感想例
順番に考えると、いくつといくつになるのかが、わかりやすかったです。
今度は、7のつくり方を調べてみたいです。
教育課程調査官からのアドバイス
国立教育政策研究所 教育課程調査官・笠井健一
第一学年では、ものの個数や順番を正しく数えたり表したりすることや、1つの数を他の数の和や差としてみるなど、ほかの数と関係付けて捉えることを学習します。日常生活に必要な知識であるとともに、合成や分解は後に学習する加法や減法の学習の素地となります。
この授業の例は、6の分解ができるようになることをねらいとしています。おはじきの数当てゲームによって、子供が6の分解について楽しく探究していく様子が目に浮かびます。握っていた手を開いて数えれば、隠されているおはじきの数はもちろんわかります。ここでは、6の分解を知っていれば、「開いて数えなくても、隠されている数がわかる」というよさを、感得させたいところです。
また、6の分解の方法を自由に発表させた後、1と5、2と4、3と3、……と整理していくことも大切な活動です。全部で5通りという結果自体が大切なのではなく、結果を整理することで、他の組み合わせがないということを子供が納得することが大切です。また、並べ直した配列には数学的な美しさもあります。「階段みたいだ」、などと言うつぶやきがあれば、共感してあげましょう。
イラスト/佐藤雅枝 横井智美
『小一教育技術』2018年5月号より