犬猿の仲は、実は仲良し⁉ 干支を使ったケンカ対応法【動画】
ケンカの絶えない二人というのが、教室にいますよね。相性が悪いのだから仕方ない、と諦めるわけにもいかず、一体どうしたら……? そこで今回は、”犬猿の仲”の二人も周囲も笑顔になる、干支のエピソードを使った楽しい語りを紹介します!
劇団俳優を経て、公立小学校の教壇へ。得意のダンス指導で日本一になったり、絵本作家にチャレンジしたりと、精力的な毎日を過ごす松下隼司先生。その教育観の底には、子どもも指導者も毎日楽しく、笑顔でありたいという願いがあるそうです。そんな松下先生から、笑顔のおすそわけをしてもらうコーナーです。
指導:大阪府公立小学校教諭/松下隼司
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犬猿の仲の二人が笑顔になる語り
クラスに、”犬猿の仲”の二人って、いるものですよね。
席が離れていても揉めるし、ドッジボールでも毎回トラブル。
どうします? 1年間、ガマンします?
「また揉めるんかぁ、そんなんだったら遊ばんとき、離れとき」
そう言っても、また揉めてしまう。
どうすればいいのかと困っていた私が助けられたのは、”干支”だったんです。
戌(いぬ)と申(さる)。相性の悪い「犬猿の仲」とされるコンビです。
でも実は、干支に出てくる戌(犬)と申(猿)って、めっちゃ仲がよかったんですよ。
どうして仲が悪くなったのかというと……、
神様が、神様のもとへ到着する順番を競わせたことが関係しているという一説があるのです。
競争の結果は、干支の順番のとおり、猿は9位、犬は11位。
このことによって、両者の仲が悪くなってしまったのです。
子どもたちは、「相性の悪い関係を何の仲って言う?」と問われると、「犬猿の仲」と答えます。
そして、ケンカの絶えない二人は「なんで仲悪いん?」と聞かれれば、
「あいつが悪いんや」「こいつがちょっかいかけてくるからや」
と相容れません。
ここで、先生からのひと言!
「違う! これは、干支のせいや!」
「え!? 干支!?」
「犬猿の仲」と呼ばれる猿と犬は実は仲良しだったというエピソードを伝えると、子どもたちは、もうニコニコです!
「そうなんや! 俺らのせいちゃうんや! 干支のせいなんや!」
ケンカを見ていた周りの子どもたちの間にも、温かい空気が生まれます。
この話をした後で、トラブルがあったときに、
「どっちが犬かな? 猿かな?」なんて言えば、
子どもたちは干支の話を思い出して、ケンカをするのを忘れてしまいます。
干支のエピソードが、イライラする子どもたちの感情を抑えてくれますよ。
ぜひ、取り入れてみてくださいね。
松下隼司(まつした じゅんじ)
大阪府公立小学校教諭。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門で優秀賞を受賞。さらに、日本最古の神社である大神神社短歌祭で額田王賞、プレゼンアワード2020で優秀賞を受賞するなど、様々なジャンルでの受賞歴がある。小劇場を中心に10年間の演劇活動をしていた経験も。著書に、『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、絵本『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)がある。
イラスト/したらみ