「きまりを守る指導」間違った指導になっていませんか?

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学級経営をよりよくしていくためには、子供がきまりを身につけていくことが必要になります。安心・安全で楽しい学級をつくるために、「きまりを守る指導」のポイントを紹介します。

執筆/北海道公立小学校教諭・佐野正樹

安心・安全で楽しい学校生活を

学級は、人と人とが一緒に生活するひとつの社会と考えられます。学級という社会の中で安心・安全で楽しく生活していくためには、一定のルールやマナーなどのきまりが必要です。

しかし、「きまりは守るのが当たり前」などと教師が思い込んでいるのであれば、特に高学年では反発を招くことにもつながります。

そこで、場面によっては、きまりの意義を考え合意のもとに形成されたきまりを守ったり、さらにはそれを改善したりすることが大切です。このような活動は、主権者としての意識の高まりを育むことにもつながります。

きまりの指導は、共通理解とイメージの共有が鍵

学級経営をよりよくしていくためには、子供がきまりを身につけていくことが必要になります。

特に、高学年の学級経営では、学級活動の時間や朝の時間等できまりの意義を話し合うことが重要です。

きまりを共通理解し、イメージを共有する

きまりが守れないことへの指導

高学年になると、きまりが守れなくなってしまう場合もあります。その背景には何があるのかを、教師がしっかり見つめて対応していきましょう。

また、きまりが守れない子供に対して、きまりを意識して生活することができるような指導の工夫をすることも大切です。

  • 説明する内容を簡単に黒板に書いた後、口頭で説明して補足をする。
  • 「声のものさし」(状況に応じて声の大きさを示したもの)、学習用具のきまり等のきまりは何度も確認できるように「見える化」して掲示をする。

中学校では、校則の見直しに関する取り組みも

中学校の校則については、文部科学省から、生徒や保護者、地域・社会の実情に照らしたり、時代の進展などを踏まえたりして積極的に見直しを求める通知が出されました。

そのことから、中学校では、ブラック校則と呼ばれるような必要かつ合理的な範囲を逸脱した校則を見直そうという動きがあります。

これからは、教育的意義を失わないように、校則の内容や必要性について共通理解を図りながら取り組むことが必要になるでしょう。

イラスト/菅原清貴

『教育技術 小五小六』2021年12/1月号より

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