学級会をバージョンアップ~議題ってどうやって選ぶの?~
学級会をバージョンアップさせるために、議題の選び方のポイントについて解説します。
執筆/東京都県公立小学校主任教諭・東奈奈子
目次
学級会を続けるために
「学級会基本のステップ」で、学級会の第一歩を踏み出すことはできましたか。あとは回数を重ね、少しずつバージョンアップさせていきましょう。そのためにも、議題集めをしておくとよいでしょう。
議題には、
①みんなでしてみたいこと
②友達にしてあげたいこと
③係でみんなに相談したいこと
④みんなで考えたいこと
⑤委員会や代表委員会からおりてきたこと
などがあります。
議題の条件を伝えよう
議題は、学級活動で最も大事なものです。子供たちにとって必要感のある議題にするためにも、よりよい学級にしたいという思いを日頃からもたせることが大切です。
ただし、子供たちが取り組みたいからといって、どんな議題でもいいわけではありません。あらかじめ「議題の条件」を伝えておきましょう。
みんなで一緒にできることですか?
みんなが楽しめることですか?
みんなが困っていることですか?
【議題例】
みんなで楽しみたい
- 読書おすすめ会をしよう
- 新春学級カルタ大会をしよう
- クラスの劇をつくろう
- 1年間ありがとうの会をしよう
クラスの団結力を高めたい
- 友達紹介クイズをしよう
- 学級の旗のデザインを考えよう
- ミニオリンピックをしよう
- 係発表会をしよう
けじめのある生活を送ろう
- 掃除の工夫を考えよう
- 学校をきれいにしよう
- 休み時間に仲よく遊ぼう
思いや願いから議題を集めよう
子供たちの思いや願いがこもった議題を集めることが楽しい学級活動につながります。
低学年のうちは教師と子供たちみんなで話し合いながら、教師が中心となって議題を決めるとよいでしょう。
先生が中心になって決めますが、みんなで話し合いたいことがあったら、先生に相談しましょう
また、議題カードを活用する方法もあります。議題カードは、子供たちが自分の学級に関わる思いを提案することができるカードです。
- みんなでやりたいこと
- みんなで作りたいもの
- すぐに解決したいこと
- 学級目標に近付くために
- 係からお願いしたいこと など
このような観点を示し、議題を考えさせるとよいでしょう。
教室に議題ポストを置き、いつでも自由に議題カードを入れられるようにしておき、そのなかから、みんなでやってみたいことを選ぶことができます。
議題になることと、ならないこと
自治的活動の範囲外(子供に任せられないもの)についても、学級全体で最初にきちんと押さえておきましょう。
次のことはみんなに決められないので、先生に聞いてください
子供に任せられない問題とその発言
①安全・衛生に関わること
お祭りで、本物のかき氷を出したら、楽しいと思います
②友達のよい・悪いや罰を決める
このクラスの全員がチャイム着席ができないのは、○○さんのせいだと思います
③お金を集める
○○さんのお別れ会のプレゼント用に、一人100円ずつ集めたいと思います
④授業の時間を変える
体育の時間を使ってやれば、体育館を自由に使えると思います
⑤学校の施設を使う
図書室を暗くして、おばけ屋敷をしたらいいと思います
⑥課外時間の活動
夜、学校できもだめしをしたら怖くていいと思います
イラスト/佐藤雅枝 横井智美
『教育技術 小一小二』2021年10/11月号より