低学年の話合い活動の基本 5つのステップ

低学年における話合い活動は、最初から完璧にやろうと考えず、はじめの一歩を踏み出すことが大事です。「学級会基本のステップ」で始めてみましょう。

執筆/東京都県公立小学校主任教諭・東 奈奈子

ステップ1 司会グループの当番表を作ろう

学級活動の基本は、クラスみんなの参加です。学級全員を5人程度のグループに分け、表にして教室の「学級活動コーナー」に掲示します。最初の目標は、司会を輪番制にし、全員が経験することです。

ステップ2 議題を宣言しよう

学級会で一番大切なのは、「議題(みんなで話し合うこと)」です。

出された議題の選び方は、いろいろありますが、はじめのうちは教師が中心となって決め、だんだん子供たちで決められるようにしていくとよいでしょう。子供のやる気の出る「議題」を選べば、話合いが盛り上がります。

議題が決まったら、予定を立てて、宣言しましょう。

ステップ3 学級会グッズ基本セットを用意しよう

この三つを用意すれば、スタートできます。

①学級会カード
議題や話し合う内容(柱)が書かれていて、学級会が行われる前に配っておけば、みんなが自分の考えをもちやすくなります。

②司会お助け台本
初めて司会をする子でも、お助け台本を使えば司会ができます。

③学級会記録ノート
話し合った内容を記録しておくノートです。いつでもみんなが見られるように、掲示できるものがよいでしょう。

ステップ4 司会グループと打ち合わせをしよう

学級会カードを基に、司会グループの子供たちと次のことを相談し、書いていきます。

でき上がったら印刷して、クラス全員に配付します。学級会までに、みんなが話し合う内容を考えられるようにします。

ステップ5 学級会をやってみよう

事前の準備ができたら、いよいよ学級会の始まりです。机やいすの形を替え、互いの顔が見えて、発言しやすい場づくりを心がけましょう。

教師の指導ポイントはこの三つ!

①雰囲気を明るく和やかに

意見を言うのは、最初は緊張するものです。

「ちゃんと言いなさい」などの言葉は子供たちが萎縮して、暗い顔になってしまいます。自分の考えを言える雰囲気をつくる第一歩は、話合いを見守る教師の笑顔です。

②司会グループの手助けは全体の前で

司会者は、不安なものです。慣れないうちは、司会を助ける助言をしましょう。

そのときは、司会者へこそこそと言うのではなく、全体に向けて助言すると、司会グループでない子供も、話合いの進め方を覚えていき、学級全体のレベルもアップします。

③終末の助言でたくさんほめる

話合いが終わったら、教師の出番です。がんばったところ(司会グループ、よい意見を言った子、あまり意見を言わない子が発表したことなど)を認め、大いにほめましょう。次への意欲が、着実に高まります。

イラスト/佐藤雅枝

『教育技術 小一小二』2021年8/9月号より

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