保護者とよりよい関係を築く個人面談

個人面談は、子供の様子について、保護者と話せる貴重な機会です。なかには初めて担任と直接話をする保護者もいるかもしれません。保護者は、このためにさまざまなことを調整し、来校しますが、一人あたりの時間は短くなってしまうことが多いでしょう。担任からの一方的な話や一般的、抽象的な話で終わりにならないようにしたいものです。保護者も担任も、「話ができてよかったな」と思えるように、事前にどんな話をするのか、準備をして臨みましょう。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・木村綾子

集団と個の視点を意識

子供の様子を伝える際、二つの視点を意識しておきましょう。

一つは、集団の中で見た周りの子との関わり方の様子です。例えば、係や当番活動の様子については、学級通信などで発信していることもあると思いますが、その活動の中でどのように友達と関わっているのか、保護者にはあまり見えない部分です。

二つめは、その子個人の様子についてです。その子のよさやこれからの課題について、担任から伝えることはもちろんですが、保護者がどのように子供のことを捉え、どんな願いをもっているのかを傾聴するようにしましょう。

具体物を活用する

保護者と話をする際、できるだけ具体物、具体的なエピソードを交えて伝えることができるように準備しておきましょう。

子供のプリント、ワークシート類や作品、活動中の写真や映像などを一緒に見せることで、保護者により分かりやすく伝えることができます。

面談の前に、子供たちにアンケートをとり、学校生活の様子を担任がきちんと把握しておくことも一つの方法でしょう。

保護者の話もしっかりと聞く

担任からの一方的な話で終わらず、保護者も話ができる時間をとるようにすることが大切です。保護者の思いや願いも聞きながら、子供のことを話し合う時間にしましょう。質問は、面談の時期によって内容を変えていくとよいでしょう。

【例】

  • 一言で言うとどんなお子さんですか
  • お子さんが夢中になっているものは?
  • 成長を感じることは?
  • 得意なこと、苦手なことは? など

日頃から子供たちの学校生活の様子を把握しておくことは、面談のためだけのことではなく、日々の指導のためにも大切なことです。アンケートなどを活用して、子供たちがどんなことを考えているのか、学校生活をどのように過ごしているのか、理解するように心がけたいものです。

イラスト/山本郁子

『教育技術 小三小四』2021年6/7月号より

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