• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

10箇条チェックリストで保護者と連携、いじめ未然防止

2019/7/25

夏休みが終わり二学期に入り、徐々に子供たちの緊張がほぐれてくると起こりやすくなる「いじめ」問題。運動会や文化祭など、たくさんの行事を控え、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

執筆/兵庫県公立学校 関田聖和

二学期直前 新任教師は不安がいっぱい?

「二学期始まっちゃいましたね。運動会に音楽会。行事に追われそうです。」
「準備万端ですよ、何でも来い!」
「さすがです! でも私はちょっと不安かも。いじめとか起こったらどうしよう」
「大丈夫。そんな時には・・えーと、城先生」
「アドバイスせんのかーい」
不安なレイ先生にアドバイスする甲斐先生だけど、全然たよりにならな~い。
イラスト/藤井昌子

いたずらに不安がって、マイナス思考に落ち込むことはよくないことですが、レイ先生の不安には、私も共感できます。「いじめ」に関しては、「どのクラスにも起こりうるもの」として、常に意識しておかなければいけません。そういう意味でもレイ先生の不安は、「ナイス不安」です。不安に感じたことで事前に対策を考えることができるからです。

私は、学級懇談会の話題に、いじめに関することとして、「わが子をいじめっ子にしない10箇条」という資料を配付したことがあります。関西国際大学教授、中尾繁樹先生から学んだことをもとに、作成したものです。

保護者懇談会で「10箇条」を配付しよう

懇談会では、この「10箇条」を配付する前に、まず保護者に、「いじめは、絶対にいけないこと」「いじめは、いじめる子供がいなければ起こらないこと」を伝えます。そして、「10箇条」を配付し、補足します。

「わが子をいじめっ子にしない」ためにチェックすべき10箇条

子どもの様子のチェック5項目

  • 言葉遣いが荒く、親の言うことを聞かなくなってきた
  • 人のことを馬鹿にするようになってきた
  • 買った覚えのないものを持っている
  • 与えたお金以上のものを持っている
  • お小遣いでは買えないものを持っている

家庭の様子のチェック5項目

  • 両親がいつも言い争いをしているなど家庭内が不安定
  • 親の気分によって子どもへの接し方が変わり、子育てに一貫性がない
  • 家庭内における子どもの問題への親の解決スキルが乏しい(すぐに叩いたり、暴言でその場を押さえたりしてしまう)
  • 子どもの行動に対して、親が共感的に接していない(子どもの自尊心が育ちにくい)※人は自尊心が低い場合、他者をおとしめて自分の価値を高めようとする
  • 保護者が喫煙者である(受動喫煙を含む)※健康リスクが高い

もちろん、いじめの定義(文部科学省)の説明も行います。先生方には、釈迦に説法かもしれませんが、確認のために記します。

いじめの定義

「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

平成25年度いじめ防止対策推進法施行にともなう定義~文科省資料より~

文部科学省のサイトでは、リーフレットもダウンロードできます。懇談会で、配付するのもよいでしょう。

いじめる子供の心理を知って「専手必笑」

いじめのきっかけとなることは、複数あります。「こうなったら、いじめにつながる」ということを書き上げると無数にありますが、心理面から言える13項目をあげておきます(これも、中尾繁樹先生からの学びです)。

懇談会で話す必要はありませんが、先生方には、未然防止、早期発見のためにも「いじめる子どもの心理」について、意識しておいた方がよいでしょう。

いじめる子どもの心理面

  1. 支配でき、主導権を握る立場に立とうとする
  2. 言語スキルが高い
  3. 必ずしも学業成績は高いとは言えない
  4. 他者に対する共感に欠ける
  5. 継続的に一人や複数の子供をいじめる
  6. 自分の行動をうまく大人に隠す
  7. 平気でうそをつく
  8. 規則に従わず、反抗的で素直ではないことが多い
  9. 罪の意識に欠ける傾向があり、いじめの標的にした子供のほうが、先に攻撃、誘発したと思い込んでいる場合がある
  10. 自分のほしいものを手に入れることを常に考えている
  11. いじめっ子に力を貸し、関係をもっていることで力を得る仲間、支援者、友人が数人いる
  12. 攻撃の標的にした相手が先に自分を「からかった」と思い込む
  13. 相手が恐怖することによって、自分はえらいと感じる

このような子供の心理を意識した上で、クラスの子供たちを改めて見てください。黄色信号を出している子供がいるかもしれません。黄色信号が赤信号にならないように、日常的な声かけや学習活動や行事におけるグルーピングの配慮等を行ってください。

いじめの指導は、いじめが起こってから行うものではありません。大きないじめが起こらないうちに行うことで、「専手必笑」の手立てが活きてくるのです。

「いじめを未然に防ぐ秘訣はめっちゃ楽しいクラスを創ることじゃ」「全ての子が満足しておればいじめは起きん!!」「おーっ」
イラスト/藤井昌子

『小五教育技術』2018年9月号より

関連する記事

クラス記事一覧

学級崩壊11月クライシス 予防は9月から!【予兆発見編】

学級崩壊が最も多いのは11月。そのカウントダウンは9月からと言われています。荒れが気づかぬうちに進み、11月には崩壊して手遅れ・・・とならないために、9月の今か…

折り紙で教室を華やかに【9月編】コスモスとブドウ

9月の折り紙として、ペアで作るコスモスとブドウを紹介します。大阪府公立小学校教諭 樋口綾香先生の教室で、作り方を教えていただきました。

二学期のめあてを決めて、リスタートしよう!

二学期は、運動会、遠足、音楽会など、子供たちが楽しみにしている行事や新しい学習がたくさん計画されています。子供たちと一学期の振り返りをし、係決め、当番の見直し、…

【ことば遊び】『声に出すことば遊び』で、言葉のセンスを磨こう!

本シリーズは、学級レクに活用できる「ことば」を使ったことば遊びを紹介します。ことばのセンスを磨いたり、ルールを守って遊ぶ大切さを学べるので、是非ご活用ください。…

二学期で学級経営のリスタート!成功の手立てとは!?

アメリカでは9月が新学期です。学級経営で、一学期にうまくいかなったことがあっても、アメリカ人になった気分でもう一度やり直せばよいのです。元気にレッツ リスタート…

どの子も活躍できる学級にするため、どのような手立てを講じてますか? 

学級経営・特別活動を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、教育現場で見て気になったことについて、ズバリと切り込みます。 今回は、学級の中でのリーダーシップの在…

先生がいなくても大丈夫な学級を目指す、高学年二学期のリスタート

高学年では、「自治的な学級、自分たちだけで協力して課題を解決していける学級」を育てることが理想です。夏休み明けの二学期にはどのような指導イメージを描き、ロードマ…

夏休み明けの3日間が命。中学年の子どもを学校モードに戻そう

夏休み明けの3日間は、とても大切な「決めの3日間」。ここで子供たちの変化を見逃して二学期を始めると、秋の学級崩壊へなだれ込む危険性も。夏休み明けの二学期には規則…

夏休み明け 中学年の子どもの変化に気付く術

小学生も三年生~四年生になると、夏休みに夏期講習で塾を始めたり、学校以外の友達が増えたり、ホルモンバランスの乱れなど、日常生活に変化が出る子どもが増えます。夏休…

2019/8/4

4年3組学級経営物語(11)

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。アンテナを張り、子ども達の悩みに寄り添う大切さを知った渡来先生。泳げないことに悩…

もっと見る