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10箇条チェックリストで保護者と連携、いじめ未然防止

2019/7/25

夏休みが終わり二学期に入り、徐々に子供たちの緊張がほぐれてくると起こりやすくなる「いじめ」問題。運動会や文化祭など、たくさんの行事を控え、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

執筆/兵庫県公立学校 関田聖和

二学期直前 新任教師は不安がいっぱい?

「二学期始まっちゃいましたね。運動会に音楽会。行事に追われそうです。」
「準備万端ですよ、何でも来い!」
「さすがです! でも私はちょっと不安かも。いじめとか起こったらどうしよう」
「大丈夫。そんな時には・・えーと、城先生」
「アドバイスせんのかーい」
不安なレイ先生にアドバイスする甲斐先生だけど、全然たよりにならな~い。
イラスト/藤井昌子

いたずらに不安がって、マイナス思考に落ち込むことはよくないことですが、レイ先生の不安には、私も共感できます。「いじめ」に関しては、「どのクラスにも起こりうるもの」として、常に意識しておかなければいけません。そういう意味でもレイ先生の不安は、「ナイス不安」です。不安に感じたことで事前に対策を考えることができるからです。

私は、学級懇談会の話題に、いじめに関することとして、「わが子をいじめっ子にしない10箇条」という資料を配付したことがあります。関西国際大学教授、中尾繁樹先生から学んだことをもとに、作成したものです。

保護者懇談会で「10箇条」を配付しよう

懇談会では、この「10箇条」を配付する前に、まず保護者に、「いじめは、絶対にいけないこと」「いじめは、いじめる子供がいなければ起こらないこと」を伝えます。そして、「10箇条」を配付し、補足します。

「わが子をいじめっ子にしない」ためにチェックすべき10箇条

子どもの様子のチェック5項目

  • 言葉遣いが荒く、親の言うことを聞かなくなってきた
  • 人のことを馬鹿にするようになってきた
  • 買った覚えのないものを持っている
  • 与えたお金以上のものを持っている
  • お小遣いでは買えないものを持っている

家庭の様子のチェック5項目

  • 両親がいつも言い争いをしているなど家庭内が不安定
  • 親の気分によって子どもへの接し方が変わり、子育てに一貫性がない
  • 家庭内における子どもの問題への親の解決スキルが乏しい(すぐに叩いたり、暴言でその場を押さえたりしてしまう)
  • 子どもの行動に対して、親が共感的に接していない(子どもの自尊心が育ちにくい)※人は自尊心が低い場合、他者をおとしめて自分の価値を高めようとする
  • 保護者が喫煙者である(受動喫煙を含む)※健康リスクが高い

もちろん、いじめの定義(文部科学省)の説明も行います。先生方には、釈迦に説法かもしれませんが、確認のために記します。

いじめの定義

「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

平成25年度いじめ防止対策推進法施行にともなう定義~文科省資料より~

文部科学省のサイトでは、リーフレットもダウンロードできます。懇談会で、配付するのもよいでしょう。

いじめる子供の心理を知って「専手必笑」

いじめのきっかけとなることは、複数あります。「こうなったら、いじめにつながる」ということを書き上げると無数にありますが、心理面から言える13項目をあげておきます(これも、中尾繁樹先生からの学びです)。

懇談会で話す必要はありませんが、先生方には、未然防止、早期発見のためにも「いじめる子どもの心理」について、意識しておいた方がよいでしょう。

いじめる子どもの心理面

  1. 支配でき、主導権を握る立場に立とうとする
  2. 言語スキルが高い
  3. 必ずしも学業成績は高いとは言えない
  4. 他者に対する共感に欠ける
  5. 継続的に一人や複数の子供をいじめる
  6. 自分の行動をうまく大人に隠す
  7. 平気でうそをつく
  8. 規則に従わず、反抗的で素直ではないことが多い
  9. 罪の意識に欠ける傾向があり、いじめの標的にした子供のほうが、先に攻撃、誘発したと思い込んでいる場合がある
  10. 自分のほしいものを手に入れることを常に考えている
  11. いじめっ子に力を貸し、関係をもっていることで力を得る仲間、支援者、友人が数人いる
  12. 攻撃の標的にした相手が先に自分を「からかった」と思い込む
  13. 相手が恐怖することによって、自分はえらいと感じる

このような子供の心理を意識した上で、クラスの子供たちを改めて見てください。黄色信号を出している子供がいるかもしれません。黄色信号が赤信号にならないように、日常的な声かけや学習活動や行事におけるグルーピングの配慮等を行ってください。

いじめの指導は、いじめが起こってから行うものではありません。大きないじめが起こらないうちに行うことで、「専手必笑」の手立てが活きてくるのです。

「いじめを未然に防ぐ秘訣はめっちゃ楽しいクラスを創ることじゃ」「全ての子が満足しておればいじめは起きん!!」「おーっ」
イラスト/藤井昌子

『小五教育技術』2018年9月号より

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