公立校で学ぶ「外国籍の子ども」学びの状況はどうなってる?【わかる!教育ニュース#3】

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中澤記者の「わかる!教育ニュース」
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タイトル 「外国籍の子ども」~わかる! 教育ニュースNo.3~

先生だったら知っておきたい、さまざまな教育ニュースについて解説します。連載第3回目のテーマは「外国籍の子ども」です。

日本語の習熟度が低い小中学生のおよそ20人に1人が、特別支援学級に在籍

就労や結婚、やむを得ない事情などさまざまな理由を抱え、母国を離れて日本で暮らす外国籍の人々はたくさんいます。日本は公立校で学ぶことを望む外国籍の子を、無償で受け入れることになっていますが、学びの状況はどうなっているのでしょうか。

文部科学省が公立の小中高校などで学ぶ外国籍の子のうち、日常生活や学習に支障があり、日本語の指導が必要な子を調べたところ、昨年5月時点で4万7627人いました(参照データ1)。1991年に調査を始めて以来、最多です。

今回、新たに調べたことがあります。障害のある子の学びの場である特別支援学級に、日本語の習熟度が低い小中学生が、どれだけいるかです。結果は5.1%。およそ20人に1人が籍を置いていて、小中学生全体(3.6%)の1.4倍と、高い比率であることが分かりました。

文科省が2013年10月に出した通知で特別支援学級の対象とした子は、主に知的障害や肢体不自由、弱視など。けれど、日本語指導の体制が整わないといった理由で、外国籍の子が特別支援学級で学んでいる現象が、以前から支援団体や報道で指摘されていました。文科省は21年6月、障害のある子の教育支援の手引きで「日本語指導が必要だとして、特別支援学級や通級の指導対象にするのは不適切」と説いていました。

外国籍の高校生で、進学も就職もしない子は13.4%

日本語の指導が必要な子の指導体制は、どの程度整っているのでしょうか。調査では47.4%の自治体が、担当教員や支援員などの指導といった対応を整えていないと答えました。「受け入れがない」を除いて最も多い理由は、指導できる人材の不足(14.6%)。確かに、子どもたちの母語や置かれた状況は多様で、必要な支援も異なります。調査に寄せられた自治体側の要望にも、人材や予算の課題を訴える声が目立ちました。

ただ、言葉の壁が、将来の選択肢を狭めている可能性があります。日本語の習熟度が低い子の進路を見ると、中学生の進学率は89.9%で、中学生全体を9.3ポイント下回ります。進学も就職もしない子は、全体の8.3倍の5.0%。高校生の中退率は、全体の5倍の5.5%。進学率は51.9%と、全体の73.4%より大きく落ち込み、進学も就職もしない子は全体の2.8倍の13.4%です。

外国籍の子を巡っては、不就学の問題も解消していません。義務教育段階の年齢で学校に通っていない恐れのある外国籍の子は、昨年で1万46人(参照データ2)。19年の前回調査からほぼ半減とはいえ、まだ1万人余りいます。
多くの子どもは、自分の意思で住む場所を決められません。子どもたちが国籍や文化、言葉の壁を越えて学べる環境を、守ってあげたいものです。

参照データ1
▽日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和3年度)の結果(速報)について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421569_00003.htm
参照データ2
▽外国人の子供の就学状況等調査(令和3年度)の結果について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421568_00002.htm

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執筆/東京新聞記者・中澤佳子

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