【相談募集中】食物アレルギーがあっても教員になれますか?
食物アレルギーを持つ高校二年生から「みん教相談室」に相談が届きました。この悩みに対する兵庫県公立小学校校長・俵原正仁先生の回答をこちらでシェアします。
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Q. 食物アレルギーがあると、教員になったら苦労しますか?
将来で迷っています。もうすぐ高二です。私は、食物アレルギーを持っているのですが(卵、蕎麦、長芋)、就職してすっごい苦労するとかありますか? 今、目指してるのは特別支援学校の教員です。意見お願いします。(み。・10代女性)
A. 食物アレルギーを持つ子供や保護者に寄り添った教員になれるはず
「み。さん」、相談してくれてありがとうございます。
ズバリ、結論から話をしますが、食物アレルギーを持っていることで「み。さん」が「すっごい苦労する」ことは絶対にありません。それどころか、「み。さん」のこれまでの体験が強みになります。
というのも、食物アレルギーの子供やその保護者の気持ちについて、誰よりも共感できるからです。その子に対する声かけや配慮も実体験を通したものになるはずです。
実際、私の勤務している地域にも、小麦アレルギーの先生がいます。最近の教育現場は、食物アレルギーについての理解も昔に比べれば進んできていますが、それでも、その先生の食物アレルギーの子に対する対応は、他の先生方とはひと味違います。
当然、給食は小麦の除去食のメニューを食べています。クラスにいる食物アレルギーの子と一緒です。これまで、自分一人だけ友だちと違うメニューを食べていた子にとっては、とても心強い味方です。クラスの子の食物アレルギーに対する理解も深まります。
この先生の例は小学校でのものですが、特別支援学校でも、「み。さん」の強みが生かされることは間違いありません。
将来の進路で迷っているということは、真剣に未来のことを考えているということです。そして、このような相談室を見つけて、実際に相談をするという行動に移しています。「考え、調べて、行動した」ということです。
これらのことができる「み。さん」は、きっといい先生になれると思います。ぜひ、特別支援学校の教員をめざしてください。ブラックだという記事を目にすることがあるかもしれませんが、教師というのは、子供たちと笑顔で過ごすことができる楽しい一生ものの仕事ですから。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。