新しく加わった学級活動(3)「1年間のめあてを決めよう」実践のポイント
1年間のめあてを決める、学級活動(3)の実践を紹介します。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・青木洋俊
目次
学級活動(3)ってなあに?
「一人一人のキャリア形成と自己実現」
『学習指導要領』(平成29年告示)では、小学校の学級活動の内容に、学級活動(3)が新たに示されました。
学級活動(3)「一人一人のキャリア形成と自己実現」
ア 現在や将来に希望や目標をもって生きる意欲や態度の形成
イ 社会参画意識の醸成や働くことの意義の理解
ウ 主体的な学習態度の形成と学校図書
館等の活用
年度当初に、自分の「めあて」を立てるといった活動は、この「ア」に該当するものです。その際、単にカードを配って、書かせて終わりにするのではなく、話合いを大切にします。
個人目標の意思決定
学級活動(3)では、話合いを生かして、個人目標を意思決定し、実践できるようにします。
実践紹介「6年生になって」
事前の活動
学級活動(3)では、事前の活動や事後の活動を本時の活動と関連づけて、上の図のように、一連の学習過程を通して実施します。
まず、年度当初に、アンケートによって、「どんな6年生になりたいか」や「どんな学級にしていきたいか」などを書いておきます。
上の図にある「問題」や「課題」とは、「○○ができない」といったマイナス思考で捉えるのではなく、一人ひとりが「最高学年として、成長していきたい」といった希望や目標を持って新学期を迎えているからこそ、何が必要かといったプラス思考で捉えていくことが大切です。
本時の活動
①【つかむ】
アンケート結果をもとに話し合って、自分たちの共通の課題をつかむようにします。
その際、1年間の期待や希望を抱いていることに焦点化するようにします。
②【さぐる】
①をもとに、どんな6年生になりたいのかをさらに具体的に探ります。
これまで蓄積してきた「キャリア・パスポート」を活用し、少し前の自分を振り返り、少し先の将来を見通して意思決定につなげられるようにします。
③【見つける】
目指す6年生の姿になるために、どんなことをしていくとよいのか、話合いを通して具体的に見つけます。
その際、前年度の6年生からのメッセージ動画などの資料を提示すると効果的です。
④【決める】
話し合ったことを生かして、一人ひとりが、自分に合った個人目標を立てます。
振り返りの欄も設けるようにします。
これを「キャリア・パスポート」として蓄積することも考えられます。
板書
事後の活動
めあてを意識して実践します。折に触れて、振り返りを行い、次の実践へと生かします。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2021年4/5月号より