次年度を見据えた学年末事務のポイント
3月の修了式の日が担任としての仕事の終わりではありません。次年度も見据えながらやり残しがないように、計画的に学年末の事務をしましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・杉本竜也
目次
1人で抱え込まない
学級事務は基本的には担任がやらなければならないことです。しかし、すべて自分だけでやろうとする必要はありません。いろいろな方法で他の人を頼りましょう。
職員室で他の先生が何をしているかを見聞きする
職員室で他の先生が何をしているのかを見て、自分のやることリストに追加していきましょう。「この時期、何からしたらいいですか」と聞いてみることも大切です。
同学年の先生と同じことをする
同学年がいる場合は学年主任の先生に確認をしましょう。仕事によっては役割分担できることもあります。
また、行った仕事をお互いに確認し合うことも大切です。
子供と一緒にやる(高学年を生かす)
教室の整理や備品の整理は後回しになりがちです。高学年では、子供がいるうちに一緒にやることができます。
物を運んだり整理したりするのを子供たちと一緒にやることを勧めます。
優先順位を考える
学年末にしなければならない事務はたくさんあります。計画的に進めていくように優先順位を考えましょう。学校によっては締め切りが決められていることもあるので、それに合わせて考えていくことが大切です。
優先度★★★★★
他の人がかかわる仕事
(例)学級会計、通知表の所見
最優先するべきこととして自分以外の人がかかわるものがあります。特に学級会計のように誰かに監査をしてもらうようなものはできるだけ早く取りかかるようにしましょう。
優先度☆★★★★
子供がいる間にやる仕事
(例)通信作成や作品の返却、新学期の代表者決め
通信作成や作品の返却は子供がいる間にやればいい仕事です。修了式までと期限が決まっている分、後回しになりがちな仕事でもあります。
できることから早めにやっていくことで余裕を持つことができます。学級の最後の時間を作品返却や配付物で終わらせないためにも計画的に行いましょう。また、高学年ならではの仕事として新年度の始業式などでの児童代表の挨拶をする子を決めて指導しておくことも忘れないようにしましょう。
優先度☆☆★★★
時間がかかる仕事
(例)指導要録作成や教室の整理
指導要録は修了式後に行いますが、できるところから少しずつやっておくようにしましょう。通知表作成と同時進行で進めていくと二度手間にならずにすみます。
優先度☆☆☆★★
年度内にはやるべき仕事
(例)データの整理や備品の確認
自分の担当の備品や教室備品の確認は年度内に忘れずにしておきましょう。また、データの整理をしておくことで次年度以降にスムーズに仕事を進めることができます。
ToDoリストをつくろう
いつまでに何をやるべきかをこの表のように「見える化」してまとめておくと計画的に進めることができます。自分の学校の計画などに合わせて自分なりの「ToDo リスト」をつくっておくと便利です。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2021年3月号より