最初の保護者会で使える!5年生の心と体データ【2022年版】
2023年度版はこちらです!
いよいよ小学校高学年。思春期前夜とも言える成長著しいこの時期、5年生の子供たちの心も体も大きく変化しています。新型コロナウイルスの流行が始まってから約2年が経とうとしています。体のことから、家庭での性教育について、通信機器の利用状況、悩み事の相談相手まで、長引くコロナ渦での子供たちの気になるデータを集めました。
5年生の体
身長の平均値の推移は平成6年度から13年度あたりをピークに、その後横ばいとなっています。体重の平均値の推移も、平成10年度から18年度あたりをピークに、その後横ばい傾向にあります。
◆ 小学5年生の平均身長と平均体重
2023年度版はこちらです!
↓↓↓
【2023年度版】5年生の「心と体」データ集
5年生の視力
令和2年度の「裸眼視力が1.0未満のもの」の割合は、10歳の子供で46.51%(文部科学省学校保健統計調査令和2年度より)、年々増加の傾向にあります。近視の進行には遺伝や近業(パソコンやスマートフォン、ゲームなど、近くを見る作業をすること)などが関与すると言われています。通信機器の長時間使用はなるべく避け、屋外活動で遠くを見る時間を増やすなど、対策が必要です。
5年生の運動能力
小学5年生に対し行われたスポーツ庁令和3年度全国体力、運動能力、運動習慣の調査結果によると、体力合計点は令和元年度に比べて低下、特に「上体起こし」「反復横とび」「20mシャトルラン」では大きく低下する結果となっています(令和2年度の調査は実施なし)。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、学校内外での活動が制限されたことで、体力向上の取り組みが減少したことが原因のひとつと考えられます。また、学習時間以外のスクリーンタイムの増加も、体を動かす機会の減少に影響しているといえそうです。
スクリーンタイムの状況
学習以外のスクリーンタイムは、視聴時間が2時間以上の割合が増加しています。特に男子に長時間化する傾向が見られます。スクリーンタイムの長時間化は、体力や視力の低下に影響します。時間を決めて使用するなど、注意と対策が必要です。
◆ 小学生の1日のスクリーンタイム
5年生の読書量
様々なメディアが発達、普及している今、大人も子供も読書離れの傾向が指摘されています。5年生男子の1か月の読書量は平均して1.8冊、女子は2.4冊という結果に。全く読まないという子供も、男子では41%、女子では31%に上ります。子供の読書活動は、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものです。進んで楽しく読書ができる環境やきっかけづくりなど、大人の関わり方にも改善が必要かもしれません。
1か月にどれくらい本を読みますか?
家庭での性教育
体が大きく変化し、大人への準備を始め、思春期の入り口にいる5年生の子供たち。個人差はありますが、女子は10歳以降で初潮を迎える子が、男子も少し遅れて11歳以降に精通を経験する子が増えてきます。家庭での性教育に関する意識についてのデータを集めました。
家庭で性教育を実施していますか?
家庭内で性教育を実施しているという家庭はまだまだ少なく、20%を下回る結果に。
家庭で性教育を実施していない理由は?
また、必要性は感じているが実施していない理由として、「何をどう説明したら良いかわからない」「性教育を始めるタイミング(年齢)がわからない」「教育できる自信がない」など、親自身も性教育に関する知識が不十分なことから、どう取り組んで良いかわからず困惑している実情が見えます。
家庭で性教育をどのような形で実施していますか?
家庭で性教育を実施していると回答した家庭では、直接の会話を通して行なっている家庭が8割を超す結果に。日頃から何でも話し合える関係性を築くことが大切と言えそうです。
様々な情報が氾濫している今、正しい情報を得ることはなかなか簡単なことではありません。子供たちの心を把握できるよう、日頃からコミュニケーションをとり、常に何でも話しあえるような関係性を築くことが必要となってきます。思春期に入ると、親子関係も複雑になります。対話を重ねることが大切です。
習い事
小学生の習い事では「水泳」が人気ですが、高学年では減る傾向にあります。反対に、学年が進むにつれて通塾する子供の割合は増える傾向にあります。また、小学校でプログラミングの授業が必修になったことや、将来つきたい職業にもユーチューバーが上位にランクインしていることから、今後はプログラミングを習う子供の数も増加していくことも考えられます。
現在行っている習い事はありますか?
悩み事の相談相手
感染防止のため給食時の黙食など、学校内でのコミュニケーションが変化し、小学生の心にも不安や悩みが増えていることが予想されます。悩み事の相談相手としては、「母親」(5年生男子73.0%、女子83.0%)が1位に、続いて2位が「父親」(5年生男子32.0%、女子31.0%)、3位「友達」(5年生男子16.0%、女子26.0%)となっています。2020年と比べるとそれぞれの順位は変わりませんが、その割合はいずれも大きく低下しています。一方で「相談しない」が5年生男子で14%、女子で11%に上り、2020年から大きく増加していることがわかります。心配なのは、家族での時間が増えている状況にもかかわらず、家族へ相談するのではなく、「相談しない」という選択を取る子供が増えている点です。悩みを抱える子供たちが学校でも家庭でも孤立しないよう、心のケアが重要な課題です。
不安や悩みがある時、誰に相談しますか?
●この記事に限り、文章や画像を保護者会資料等の作成にご利用いただけます。
文/ルル 構成/浅原孝子 イラスト/フジコ
2023年度版はこちらです!
↓↓↓
【2023年度版】5年生の「心と体」データ集