【相談募集中】不登校児の対応について、周囲の理解が得られません

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小学生の不登校対策とサポート記事まとめ

八巻寛治

不登校児童への対応について、周囲の理解が得られずに悩んでいる女性教諭から「みん教相談室」に相談が届きました。元公立小学校教諭で上級教育カウンセラーの八巻寛治先生による、不登校の対応についての見解をここで紹介します。

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公立小学校で小学校4年生の担任をしています。私は新卒で教師になり、まだ2年目です。講師経験もなく、本当に未熟者です。

私が勤務している小学校は大規模校で、1学年5クラス、1クラスにつき36人います。私の学年、クラスもそうです。今年度2学期まで36人、たまに体調不良で休む子がいてもみんな元気に登校していました。

しかし、3学期になり2人登校を渋るようになりました。片方はインターネット依存で夜眠れず、朝起きられずで生活サイクルが乱れ学校に来られていません。

片方は低学年から渋る素振りはずっとある子でした。お母さんがいつも学校まで送ってきていました。けれど、お母さんが力尽き、最近は送ってくれなくなり学校に来ていません。

私が悩んでいるのは、後者の親子のことです。お母さんを少しでも助けたいと思い、私が毎朝迎えに行って一緒にその子と登校していました。

ある日お母さんが、来週は私が門まで送ります、と言ってくれたので、私は迎えに行かず門で待つことにしました。でも、結局その日はその子は登校しませんでした。


迎えに行けば必ず登校するので、私としては毎日行きたい。でも周りの先生方は、毎日迎えに行くことにあまり賛成してくれません。甘えてる、お母さんが頑張らないと、先生1人が頑張っても意味ないよ、ほかにもクラスの子はいるよ、など。

私も重々承知しています。でも、登校を渋ってても、少しでも登校できる可能性があるなら自分を犠牲にしてもいい、そう思っています。周りに理解してくれる人がいません。少しでも背中を押してくれる人が1人でもいたら……と思ってしまいます。

私のしていることはやはり間違っているのでしょうか。誰一人見捨てたくないそう思っての行動は周りから見て、独りよがりなのか……とかいろいろ考えてしまいます。

教師としての自信を無くしています。どうしたらよいでしょうか。

(匿名先生・20代女性)

不登校児童への認識や対応にずれはないか、今一度確認してみましょう

お話を伺って、担任の先生がクラスの子供や保護者に対する優しさや熱心な思いにより行動をされていたのだということが十分に分かります。「誰一人見捨てたくないそう思っての行動」は教師として保護者や子供を支える1つの手立てであると思います。それは心情的には理解できます。

では、そのような熱心な取り組みに対して、毎日迎えに行くことにあまり賛成してくれないのはなぜでしょうか? なぜ同僚の皆さんは「甘えている(その子に対して)」、「お母さんが頑張らないと(保護者に対して)」、「先生1人が頑張っても意味ないよ、ほかにもクラスの子はいるよ(担任に対して)」と言うのでしょうか。

私は、それぞれの先生方が、ご自身の経験や体験したことから心配して伝えてくれているのではないかと思います。そうなると先生ご自身が良かれと思って実行していることを否定されたように受け取ってしまいがちですよね、そこで意識のずれが起こってしまうと思います。

意識のずれは、直接お話をして本音を聞くことで解決・解消できますので、ぜひお一人お一人に、そのように伝えた意図や背景を聞いてみることをお勧めいたします。

現在の取り組む姿勢がどのような影響があるか、ほかに担任としてやるべきこと、やった方が良いことはないか振り返っていただけますように、不登校に対する対応を確認していきましょう。

不登校に対しての認識(捉え)について

不登校の子供たちの考え方で1つ確認していただきたいのが、社会一般の不登校に対する捉え方です。 不登校の呼び方については、以前は登校拒否という呼び方をする時期もありました。どちらかというと学校に対して拒否感を持つという捉え方です。

ところが最近は不登校に対する捉え方が変わり、学校を休むことがその子にとって有益な場合もあること、一時的にでも体や気持ちを落ち着かせることなどは大切であるというような捉え方がなされるようになってきました。

その理解の大元になっているのが教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)という法律で、平成28年に制定されました。

この法律は、不登校の児童・生徒が教育の機会を失わないための法律で、 不登校のために学校で勉強する機会を失ってしまった児童・生徒に対して、学校への登校を強制せず、それぞれにあった学習環境を保障するため定められました。

保護者も教員も子供の様子を見ていれば、学校を休ませた方が良いと理解はできると思います。しかしそれぞれの立場や周囲の視線、義務教育であることのプレッシャーなどから、病気以外の場合は、無理をしてでも登校させなければならないという状況になりがちです。

子供、保護者、教職員それぞれの持っている「学校に通わなければならないという思い込みやとらわれ」が、学校を休むことで回復するはずの症状を悪化させたり、結果として長期間学習の機会を失ったりする事態を生じさせてしまう場合があります。

教育機会確保法はそのようなこだわりを解消することが期待されています。第13条では不登校児童生徒の休養の必要性が認められており、子供自身は学校を休んでも自分を責めずに済みます。

また、「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日では、「1 不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方」として、

不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、…また、児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある…。(…略筆者)

と言う文章もあり、まずは我々教職員が不登校に対する意識を変えることが求められています。

多面的な見方で支援する

「少しでも背中を押してくれる人が1人でもいたら…」「私のしていることはやはり間違っているのか…」同僚の方からいろいろな反応があり、ちょっと悲しくなることもあるのは残念なことですね。

ただ、同じ物事でも人によって見方や感じ方などは変わるということがあります。ストレスや不安傾向などはその典型で、何気ない音でもびくっとしたり、ほかの子が注意されたりしているのを見て自分が叱られているように認識してしまう子がいたりもします。

そのように不登校には様々な理由やきっかけをもとにしている場合もあり、本人の持つ課題や学習、友達との人間関係、家族関係など多岐に渡っています。その課題に対応するためには、いろいろな見方をいろいろな方と論議する中で、その子に合った対応・対処の仕方を模索することが大切になります。

不登校の理由が何か、きっかけが何かということではなく、問題行動や適応に関係するような課題がある場合、その子に合った支援の仕方を考えて取り組む必要があるということです。

不登校の子供が主体的に社会的自立に向かうよう、児童生徒を見守りつつ、不登校のきっかけや継続理由に応じて、適切な支援や働きかけを行う必要があります。

それはつまり、迎えに行っている子と同様にインターネット依存で夜眠れず、朝起きられずに生活サイクルが乱れて学校に登校できない子や保護者に対しても、教師としてはサポートをしていかなければならないということになります。

学校の組織を使って

全国のほとんどの学校では、不登校対策委員会やケース会議、事例検討(ケース・カンファレンス)と言われる、子供たちへの問題行動や課題対応などを組織で対応するシステムが設置されています。

お勤めの学校にはそのような組織は設置されていないでしょうか? ぜひ確認してみてください。

それらの組織は多くの場合、校長、教頭、主幹教諭・教務主任や養護教諭、教育相談担当、スクールカウンセラーや時にはスクールソーシャルワーカーなども加わって話合いを行い、学級や学年へのサポート、保護者への対応など組織でどのように関わるかを決めたりします。

勤務校が大きな学校のようなので、学年のクラスが多い場合、学年主任さんを中心に皆さんで話し合うということもできるのではないでしょうか。

人はともすると自分の経験や価値で物事を判断してしまうこともありますが、いろいろな考え方や見方をお話しすることで、気づかないことに気づくきっかけをもらうこともあります。

特に不登校はきっかけや要因、状況が多岐にわたっていること、複雑に絡み合っていることもあるので、より多くの方の見取りや考え方を知る上でも大切なことです。

不登校児童への今後の取り組み

では、学級担任としてはどのようなことを実践すれば良いのでしょうか。私が学級担任の方をサポートするときには次のようなことを確認してもらっていました。

  1. 前の学年までの状況について情報を得る。「個票」(経過記録等)を作成する。
  2. 複数の教職員等によって構成される「校内支援委員会」を招集してもらう。
  3. 教職員間の情報共有
  4. 家庭との連携
  5. 不登校・不登校傾向のある児童への個別対応
  6. 学級への対応
  7. 「学校・学級復帰に向けたプログラム」「登校支援シート」に基づく計画的、継続的な支援

これらを確認しながら、まず子供とのふれ合いの機会を増やし、話をよく聞くようにします。さらに保護者やほかの教職員からの情報を収集するなど、子供の状況を正しく把握することが大切になります。学級担任が一人で抱え込まず多くの教職員で考え、対応することがポイントです。

登校刺激、登校を促すことについては、不登校の要因が様々であることから子供の状況や動向となった要因、背景等を適切に把握した上で対応することが求められます。

登校できそうな場合

学校での受入体制の確認
・保健室、別室、適応教室等
・時間差登校、放課後登校等
・学級の子供たちへの声掛け、安心できる雰囲気づくり(学級づくり)

■見守り体制の確認
・授業中、休み時間、放課後等の見守り体制の確認

■家庭連絡、家庭訪問等の確認

■SC(スクールカウンセラー)やSSW(スクールソーシャルワーカー)との連携強化

登校できそうにない場合

■朝の登校支援の確認
・家まで迎えに行くかどうか…
・電話をするかどうか…
・途中で来られそうなときの体制の確認

■電話連絡、家庭訪問等の確認
「体調はどうですか?」
「遅れて来てもいいよ…」
「別室で過ごしてもいいよ…」など

■SC(スクールカウンセラー)やSSW(スクールソーシャルワーカー)との連携強化

■関係機関などにどうつなぐか?

このように一人で抱え込まず、教職員皆さんで確認しておくことで、同僚からの理解も得られやすくなると思います。

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