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3年生担任に決まったらこれだけは押さえておきたい指導のポイント【学習編】

特集
学級開き特集ー自己紹介・学級目標・保護者対応etc.ー

北海道公立小学校教諭

山田洋一

3年生の学級担任に決まったら、どんなところに気をつけながら、子供たちを指導すべきでしょうか。3年生の発達段階を踏まえ、学級開き時に押さえるべき指導のポイントを、ユニバーサルデザインなどにも精通する山田洋一先生がレクチャーします。今回は「学習編」です。

山田洋一先生

山田洋一(やまだ・よういち)●北海道公立小学校教諭。1969年北海道札幌市生まれ。教育研修サークル「北の教育文化フェスティバル」代表。日本学級経営学会理事。著書は『個別最適を実現する!ユニバーサルデザインで変える学級経営ステップアップ術60』『子どもの笑顔を取り戻す!「 むずかしい学級」リカバリーガイド』(共に明治図書)ほか多数。

子供たちがアクセスしやすい指導に

さあ、新学期。子供たちには充実した学習をしてもらいたいですよね。すべての担任が望むところです。でも、それがなかなかうまくいきません。「やる気は、あるのかなあ」「基礎的な学力が不足しているのではないかなあ」と、担任はすぐに思ってしまいます。

しかし、まず検討してみるべきなのは、子供たちが学習にアクセスできているかどうかということです。「何を、どの程度、どれくらいの時間で」すればよいのかを、子供たちは分かっていないのかもしれません。能力を発揮する前に、そもそも何をするのかが分かっていないのかもしれないということです。

また、担任が替わった学級ならば、前の担任との雰囲気やシステムの変化が、子供たちをとても不安にしているのかもしれません。

そこで、まず教室で提供される学習に関する情報を、子供たちがアクセスしやすいものにしましょう

①指示を短く、1つの内容にする

長い指示は、記憶の苦手な子にはとてもつらいものです。たとえ、教師から指示された事柄をするだけの能力が十分にあったとしても、3つある指示のうちの最後の指示しか記憶できないとしたら、その子は毎回自分にがっかりしてしまうに違いありません。自分が自分にがっかりする場面をできるだけ減らして、すべての子供たちに自信をもたせてあげましょう。そのためには、指示を短くし、指示内容は1つに絞ることが必要です。

【悪い指示の例】
「それじゃあ、漢字ドリルの7ページを開いて、そのページを見て。漢字が全部で5個並んでいるでしょう。それぞれの漢字の下に、5個のマスがあって、そこに全部きれいに漢字を書いて、書けたら先生のところに来てね。先生が見て、オッケーだったら、その人は教科書開いて音読ね」

「指示全体が長い」「一文が長い」「指示内容が複数」「すべて口頭」の指示だと、子供の中には、最後の指示しか記憶できない子もいます。この場合、すぐに教科書を開いて音読を始めてしまう子が出てしまいます。

そこで、次のように改善しましょう。

【良い指示の例】
担任「漢字ドリル7ページを開きます」〈明確な指示〉
子供 開く。
担任「お隣さんが、同じページを開いているか確認して」〈確認〉
子供 隣と見合う。
担任「うん、すばらしい! 全員確認している」〈評価〉
担任「その一番最初の漢字に指を置いて(同時に漢字は板書する)」〈指示〉
子供 指を置く。
担任 目視する。〈確認〉
担任「○○さん、違う漢字をおさえているよ。その隣の漢字。そうそう、できたね」〈評価と改善〉

このように短く、1事項に絞ってするのがよい指示の仕方です。また、あわせて〈指示〉→〈確認〉→〈評価〉という基本的な指導サイクルを回すことで、安定した指導が可能になります。

②指示は2回以上繰り返す

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