【相談募集中】学校にしつけを任せる保護者への対応は?
しつけを学校任せにしている保護者への対応はどうすればよい? ここでは、「みん教相談室」に届いた相談への、教育アドバイザー 多賀一郎先生からの回答をシェアします。
目次
Q.しつけを他人任せにしていることが気になる保護者。改善するよう伝えるにはどう言えば?
小学6年生1名の特別支援学級担任をしています。学校現場で働くことが初めての期限付き教諭です。約1年かけて今日まで過ごしています。保護者との関係は良い方だと思います。しかし、保護者が子育てやしつけを他人任せな部分が気になっています。子どもの成長を願っているの?と不信になることが多いです。「学校お願い」な面を改善したいです。一度そのことを伝えたいのですが、どのように言えば良いですか? それとも、このような話はしてはいけないですか?(たれかつ先生・20代女性)
A.まずは、保護者の話をよく聞くことから始めましょう
私も新任の頃、「この親、何を考えているんだ!」と憤ったことが何度もあります。しかし、様々な経験を積んでいくうちに、親のしんどさといったことも理解するようになりました。そして、多くの親は、我が子の事を教師よりも愛しているということに気付いたのです。
今回の相談のような場合は、保護者との関係性を重視し、伝えない方が良いこともあります。しかし、「このような話はしてはいけない」ということでは、決してありません。話をした方が良い場合もあります。相手の様子と、話の中身によるのです。
保護者は様々です。しつけを放り出したような方もおられます。過保護すぎて心配な方もおられます。愛情深い方もおられれば、家庭の事情で子どもに手をかけていられない方もいらっしゃいます。その方々に対して、一様に同じ話をしても、通じないかもしれません。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という言葉があります。まずは、保護者の性格や環境をよくつかむことです。子どもに対して保護者がどんな言動をしているのかを、事実としてきちんと捉えましょう。
そして、自分が保護者からどのように見られているかも考えましょう。若い先生だからと軽く見られてしまう可能性もあるので、管理職や先輩と一緒に保護者に話す方が説得力も増すことと思います。
さらに、人が他者の話を聞き入れるかどうかは、話に正当性があるかどうかではありません。話の中身よりも、誰が言うのかということが重要なのです。
あなたがどれほど子どもを大切にしてきたかということが相手に伝わっていなければ、話は聞いてもらえないでしょう。
「これだけしてくれている先生の話だから聞こう」と思ってもらえることが大切です。保護者との関係は良好とのことなので、いきなり拒絶されるということはないと思います。
そこで、話し方のポイントとしては、「あなたのしていることはおかしいですよ」という話から始めないことです。こうされると、多くの人は相手に拒否反応を示します。まずは、保護者の話をよく聞くようにしましょう。
「自分の思いを受け止めてもらっている」と保護者が思えたら、先生の話に耳を傾ける気持ちになるのではないでしょうか。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。