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保護者に好印象を与え、信頼を得るためには?~後編~中野信子のDo you脳「人のココロ」?Vol.2

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中野信子

小学校の先生方が抱えがちな悩みや問題を、脳科学者・中野信子先生が脳科学の視点から分析。悩みの原因とその対処法を科学的に解き明かします。
今回は、 経験の浅い女性教師が同性である女性の保護者に好印象を与え、信頼を得るためのポイントを前編・後編に渡りアドバイスいただきました

前編記事はこちらからお読みいただけます

中野信子
撮影/長嶋正光

外見や言動で女性を前面に出さない

前編では、そもそも女性教師は、女性の保護者と「同性である」ことから、「妬み」と「嫉妬」の両方を買いやすく、とくに「類似性」と「獲得可能性」が高くなる時に、妬み感情が強まるというお話をしました。
後編では、どうすれば、「類似性」と 「獲得可能性」を遠ざけることができるのか、その対応策を考えてみたいと思います。。

「類似性」とは、性別や職種や趣味嗜好などが、どれくらい似通っているかを示す指標です。
前述したように、女性教師と女性の保護者との関係性においては「同性」であることが一つの「類似性」なので、その「類似性」を下げるためには、服装などの外見や言動を工夫し女性を前面に出さないこともポイントです。
例えば、髪の毛を短くするのもよいでしょう。声も重要な留意点です。高い声は若さを強調し、保護者の反感を買いやすいため、もしご自分が高い声だと認識している方は、できるだけ低い声で、ゆっくりと落ち着いた話し方を心がけるとよいでしょう。先生方にとっては、少々窮屈に思われるかもしれませんが、保護者のつまらない嫉妬感情を煽らないために、これも仕事の一つだと割り切ってしまいましょう。

「プロである」という演出を心がける

「獲得可能性」とは、相手が持っているものに対して、自分もそれらが得られるのではないかという可能性のこと。自分と同等、もしくは僅差だと思われる人が、自分が手に入れられないものを手に入れているときに、羨ましがったり、妬みが生まれやすいのです。
この獲得可能性を下げるための方法では、保護者に「あの先生にはかなわない」と思わせることが最も効果的です。
これは男性の先生が保護者の心をつかむためにも、大変有効な方法です。特に教育に関してはプロフェッショナルであることを見せる演出を心がけましょう。
例えば、保護者から不安の声が上がったり、不信感からクレームを受けても、「以前は◯◯が常識でしたが、最近の研究結果では△△という研究結果が出ています」など、数字やデータを用いて理論的に説明できるようにしておくとよいでしょう。保護者が不安に感じやすいトピックには恐らくある程度パターンがあると思います。あらかじめそのパターンを先輩の先生方にヒアリングし、シミュレーションしておくのもおすすめです。

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