卒業式に向けた準備と練習のポイント
小学校生活最後の集大成ともなる卒業式です。卒業生一人一人の心に残る素敵な式としたいですね。本番に向けてどんな準備や工夫ができるのかを考えていきましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・木村大輔
目次
①卒業カレンダーをつくろう
卒業カレンダーをつくり、卒業式までの見通しを立てましょう。在校生代表として5年生が卒業式に出席する場合には、5、6年生で卒業カレンダーをつくる工夫もできます。
②式に臨む心構えを確認しよう
卒業式に向けた準備や練習を始めるにあたって、最初に6年生(5年生が式に出席する場合は5年生も)に対して心構えを確認しましょう。
卒業式とはどんな意味合いのある式なのかを子供たちに伝え、卒業式へ向けた取組に対する目標を意思決定できるようにします。
③基本の姿勢(座り方と立ち方)を確認しよう
まずは式中の基本の姿勢となる座り方と立ち方を確認しましょう。
椅子の座り方は1年生の最初に習う椅子の座り方の写真や図が参考になります(3年生の書写の教科書に座る姿勢の写真が載っているものもあります。
椅子の座り方
立ち方
④動きを確認しよう その1
「起立」「着席」の動き方を確認しましょう。ポイントを全員で確認しておくことで、動きをそろえることができます。
「起立」の動き方(例)
⑤動きを確認しよう その2
歩き方や礼の仕方を確認しましょう。また、角の曲がり方や立ち止まってからの向きの変え方(右向け右、回れ右)、さらには、証書を授与されてからの持ち方や歩き方も確認しておきます。
⑥動きを確認しよう その3
卒業証書の受け取り方を確認しましょう。式の練習時間だけではなく、友達同士で休み時間などに練習してみるのも効果的です。
証書授与の練習の様子
動作のポイント(例)
- 校長先生と目を合わせて、感謝と決意の気持ちを伝える。
- 呼名後のひと言の返事で、6年間の成長とそれを支えてくださった方々への感謝の気持ちと決意を表現する。
- ステージ上で会場全体を見渡し、感謝の思いを込めて一礼して階段を降りる等。
呼びかけ(卒業生の言葉)を考えよう
教師の適切な指導のもと、プロジェクトチーム(実行委員)を中心に、子供が主体的に作成する内容で整理してみてください。
呼びかけを考えるためのアンケート用紙(例)
- 始めに、本アンケート用紙のねらいや書いてもらう上での注意点などを書いておいてもいいですね。
- 各学年での思い出を場面とともにそのときの気持ちも含めてできるだけ具体的に書いてもらいます。
- お世話になった家族、地域、先生への感謝の思いをできるだけ具体的なエピソードとともに書いてもらいましょう。地域の方々には登下校での見守りや多くの学校行事でお世話になっていると思います。
アンケート内容も子供の実態に応じて工夫し、子供たちの言葉をできるだけ拾い上げ、呼びかけの原稿をつくっていきましょう。子供たちが実感を伴って呼びかけができるといいですね。
イラスト/菅原清貴
『教育技術 小五小六』2021年1月号より
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