チーム対抗「都道府県ランキングゲーム」【土作先生ミニネタ動画】
【知っているか知っていないかで大違い! ツッチー先生のミニネタコーナー】第2回
ツッチー先生こと土作彰先生が、地図帳を使って社会科の授業を楽しくする実践ネタを紹介します。クラスを2つに分け、いろいろな生産物の都道府県ランキング当てクイズをチーム対抗形式で競わせます。学級の雰囲気を盛り上げつつ、日本地理への興味を引き出し、資料を活用した調べ学習の実践につなげます。
目次
資料活用能力が身に付く「都道府県ランキング Best 10!」
今回は、子供たちに日本のいろいろな生産物の都道府県ランキングベストテンを当てさせることによって、さまざまな情報を手に入れたり、調べる方法を学んだりして、「資料活用能力を身に付けさせよう」というネタです。
はじめに、「今日はこれからみんなでランキングを当てるよ!」と言って、教室のここからこっちがAチーム、こっちがBチーム、とグループに分けてください。何チームでもいいですが、2チームに分けるのがいいと思います。
そして、黒板にお題を書きます。
「今日のお題は『みかん』。みかんのベストテンを挙げてみよう!」と言って、1位から10位まで番号を書きます。
それに加えて、1〜3位は黄色で3ポイント、9位は青で3ポイント、7位も青で3ポイント…と、適当な順位にボーナスポイントを決めておきます。
何位を何ポイントにするかは自由です。
ランキングのベストテンに入った都道府県を当てるごとにポイントが加算され、チーム対抗で点数を競うゲームです。
ゲームの実践とポイント
さっそくやってみましょう。『みかん』です!
「さあ、わかる人!」と言うと「はーい!」と声が上がるので、ジャンケンで先攻後攻を決めて、先攻チームから答えてもらいます。
教師:「何県だと思う?」
子供:「愛媛県!」
教師:「さて、愛媛県は……3位!! おおーー!」
すると、後攻チームから「高知!」と声が上がります。
ここで、「なんで高知だと思った?」と、そう思った理由を質問します。
子供:「暖かくて日当たりがいいから。」
……しかし。
高知県は欄外でした! 残念〜!!
でも、ここで落胆させないようにします。
教師:「でもね、君が高知と答えをはずしてくれたから、もう高知は選ばなくてよくなったよね。
はずれたヒントもすごく大事だから、今、間違ってくれた友達に拍手してあげましょう!」
というように、はずした子もフォローしてあげてください。
そして、この要領で続けていきます。
子供:「静岡!」
教師:「おおーー! 2位!!」
黒板にチームごとの獲得ポイントを記録して、点数を競っていきます。
このように、ある程度ゲームを進めていくと、子供たちは放っておいても地図帳の「おもな農作物の生産」の資料を見るようになります。
ところが、グラフを見ても5位か6位までしか載っていません! なので、ここから先が佳境になり、面白いところです。
5位くらいまで埋まったところで、「何か気付いたことはないかい?」と聞いてください。
すると、「あ、南の暖かい地方が多い!」と気付きます。
このあと「北海道」という答えが出たら、「なに言うてんね〜ん!」とツッコミを入れてあげてください(笑)。
このようにして、九州・四国なども攻めていきます。
6位から、佐賀、愛知、広島、福岡……10位がその年によって違うのですが、どこだと思いますか?
この年は、三重県でした。意外ですね!
その年によって統計が変わってくるので、非常に面白いです。
そして、最後に点数を数えて「今日は○チームの勝ち! 拍手ー!!」となりますが、「黒板を写しておきましょう。」と、生産地ベストテンをノートに書き写して終えるといいと思います。
ゲーム第2弾は「白地図」で逆当てクイズ!
あるいは、白地図を用意しておき、書き込んでいくのもいいですね。
見えづらければ、黒板に簡単な地図を描いて数字を入れていくのもいいと思いますが、番号だけを入れておくのがオススメです。
あとで、
「これは、ある生産物のベストテンの地図です。この生産物は何でしょう?」
と出題すると、「あ、暖かい地域だから、みかんだ!」というのがわかります。
同様に、次の時間はぜひ『りんご』でやってみてください。りんごのランキングは、写真右側のようになります。
2つを見比べると、みかんは暖かいところ、りんごは寒いところで穫れる、ということもわかってきます。
発見いろいろ、活かし方いろいろ!
追加情報ですが、よく見たら、りんごは広島が10位! 広島には、りんごもみかんもあって、どえぇ〜っ!! とビックリしたので調べました。
広島県でりんご作りが盛んなのは、島根県との境にある非常に雪深いところでした。
けっこう寒いんですよ、広島って!
そして、みかんは海沿いの段々畑になるところでした。
このように、東西南北の地域差だけではなく、標高の高低差の授業にも活かせるのでオススメです。
今回は、子供たちの方から「先生、社会やらないでランキングしようー!」と言いだすようになり、知らぬ間に地図帳の活用能力が付いている、というネタでした。
ぜひお試しください!
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意外な発見もあって思わず夢中になってしまう「都道府県ランキングゲーム」。子供たちにとって、地図帳は答えの宝庫『宝地図』! 楽しくゲームをすることで、図らずも活用能力が身に付きますね。情報収集能力、分析能力は将来も生き抜く力として役に立つことでしょう!!
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土作彰(つちさくあきら)●1965年生まれ。奈良県公立小学校教諭。「学級づくり」改革セミナー主宰。『マンガでわかる 学級崩壊予防の極意: 子どもたちが自ら学ぶ学級づくり』(小学館)、『知っているだけで大違い!授業を創る知的ミニネタ45」(黎明書房)他多数。