【相談募集中】ピアノ伴奏のミスからいまだに立ち直れずにいます…
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「ピアノ伴奏をミスしてしまい、いま落ち込んでいます」と、音楽教科の先生から「みん教相談室」に相談が届きました。自身も同じような経験があったという北海道小学校合唱教育研究会事務局長・畠山美砂先生の回答をこちらでシェアします。
目次
Q.苦手なピアノ演奏でミスして、合唱を台無しにしてしまいました
音楽専科をしています。13年目です。育休のため、実際は8年目です。大学での専攻は声楽で、ピアノが苦手です。
音楽会で、6年生の合唱の伴奏の間奏部分で間違えてしまいました。止まったりはしませんでしたが、あきらかに間違った音を弾いたので、感動していた雰囲気をぶち壊し、みんなが「先生大丈夫?」と私を心配する構図になり、合唱の雰囲気を台無しにしてしまいました。
申し訳ないやら、情けないやら、恥ずかしいやら… 落ち込んでいます。 あまりにひどかったので、もう一度、弾かせてくださいといい、やり直しをしました。そのときはうまくいき、感動して泣きながら歌っている子もいましたが、一定の男子は「先生緊張しすぎ。笑ってまうわ。」という感じになっていました。
私はピアノが苦手なので、子どもたちに、いつも、「下手でごめん。一生懸命練習はするけど、苦手なのよ。」と謝ります。しかし、担任の先生は謝らなくていい、謝らないでと言われます。
伴奏を失敗したのは自分の練習不足、メンタルの弱さだと思うので、改善できるように努力します。しかし、いま、落ち込んでいます。恥ずかしくて、情けないです。
このような時、どのようにして立ち直りますか? 悩んでいます。
(ベル先生・40代女性)
A.勇気を出してやり直しを求めた自分を褒めてあげましょう
私も声楽が専門です。「音楽専科」ということで、どんな楽器も全て演奏できると思われがちですよね。よく分かります。
また、大学を卒業して就職し、何年か経過すると、仕事や家庭などピアノを触る機会も徐々に減っていきますよね。練習時間といっても放課後や休日になってしまって、忙しくてなかなか取れないのも現実。
「以前はもっと弾けたのにな。。。」と悲しくなるくらい、技術も衰えてきてしまうのは、みな同じだと思います。特に6年生の合唱曲は、難しい伴奏も多く、きっとピアノを専門にしている先生であってもミスタッチすることもあると思うのです。
そして、本番は特に緊張もあって、(メンタルが弱いとのことですが、強い方の方がきっと少ないです。)練習では完璧に弾けていても、「まさかこんなところで…」という部分で引っかかったり失敗したりするものです。特に間奏部分や後奏では、ピアノの音色だけ会場に響くもの。私も演奏会や学習発表会の伴奏で、ミスをしてしまった経験があります。
ベル先生のご相談を読ませていただきますと、先生の素晴らしいところは「もう一度、弾かせてください」と、やり直したことです。なかなか言い出せることではありません。その場の緊迫した張り詰めた雰囲気もあるなか、「勇気があるなぁ」と感心しました。私なら、そのままにしてしまいます。きっと終わった後は悔しい気持ちでいっぱいだとは思いますが(笑)。
しかしベル先生は、その勇気のある一言で、見事成功したのですから、本当によかったですね! なので、今回のことは「結果オーライ!」と、思うことにしては、いかがでしょうか。感動して泣いている児童もいたことは事実なのですから。
それまで忙しいなか、一生懸命練習したこと、子どもたちとの合唱練習での楽しい思い出や指導により少しずつ歌声が変化したことなど、ベル先生の中にたくさんの宝物が残っていると思います。その「過程」を大切にしてほしいと思います。技術のある有名なピアニストが完璧に伴奏をしたとしても、子どもたちの感動は生まれなかったと思います。
また、気を使って「謝らないで」と言ってくださる担任の先生の気持ちは、その言葉のままだと思います。ピアノが弾けない先生からすると、伴奏をしていただくこと自体、感謝しているのだと思いますよ。
前を向いて、先生の得意な指導で、子どもたちの歌声にこれからも磨きをかけてください。昔、言われたことがあります。
「歌い手は、歌が分かるからこそ、歌に合ったピアノ伴奏が弾ける」のです。
きっと、技術の長けているピアノ専門の先生には弾けない、気持ちのこもった素敵な伴奏だったと思います。
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みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。