「魔の10月」問われる教師のコミュニケーション力【4年3組学級経営物語14】

10月①「絆づくり」にレッツ・トライだ!
文/濱川昌人(よりよい学級経営を考える大阪教師の会)
絵/伊原シゲカツ
4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。「魔の10月」に戸惑い、悩みながらも、全力で立ち向かう若手教師たち。よりよい学級は、「授業力」だけでは築けない。学級の「絆づくり」が大切なんだ。レッツ・トライだ、葵ゆめ先生、そして新任教師・渡来勉先生!
目次
<登場人物>

主人公。教職1年目。教師になる熱意に燃えて、西華小学校に赴任。 やる気とパワーは人一倍あるものの、時には突っ走り過ぎるのが玉にキズ。しばしば飛び出す口癖から「トライだ先生」と 呼ばれるようになる。4年3組担任。

教職20 年の経験豊富な学年主任。4年1組担任。一見いかついが、 温かく見守りながら的確なアドバイスをしてくれ、 頼れる存在。ジャグリングなど意外な特技も。

教職3年目。4年2組担任。新採のトライだ先生を励ましつつも一 歩リード。きまじめな性格で、ドライな印象を与えてしまうことも。音楽好きでピアノが得意。
ゆめ先生の悩み

朝の打合せを終えた職員室。
「今日も頑張るぞ!」と気合いを入れ、席を立つ渡来勉先生。
しかし…、その動きが止まりました。
視線の先には、元気のない葵ゆめ先生。
心配そうに見守る大河内巌先生。
気配を感じ、葵先生は慌てて教室に向かいます。
後ろ姿を見送り、語り出す主任。
「最近、変なんだ。2組の様子が…。『魔の10月』を、今年は乗り越えてほしいなぁ」