ページの本文です

【木村泰子の「学びは楽しい」#23】すべての子どもの命を守るために

連載
木村泰子の「学びは楽しい」【毎月22日更新】

大阪市立大空小学校初代校長

木村泰子

年明けから大災害や大事故が相次いだ2024年。想定外の状況で子どもたちに本当に必要な力とは何なのか? すべての子どもの命を守るために、私たち大人は何をすべきなのか? 今こそ問い直していきましょう。(エッセイのご感想や木村先生へのご質問など、ページの最後にある質問募集フォームから編集部にお寄せください)【 毎月22日更新予定 】

執筆/大阪市立大空小学校初代校長・木村泰子

【木村泰子の「学びは楽しい」#23】すべての子どもの命を守るために   イラスト
イラスト/石川えりこ

「指導」で子どもの命は守れない

2024年のスタートは、能登半島地震・羽田空港での事故と想定外の出来事との遭遇から始まり、子どもたちも不安を抱えての始まりだったのではないでしょうか。読者のみなさまの中にも被害に遭われた方や身近な人を亡くされた方がいらっしゃるかもしれません。大阪にいる私は報道でしか事実を知ることができないのですが、今回の地震でも子どもの命が奪われてしまいました。

過去を戻すことはできませんが、今回の災害を自分事として受け止めることで、1秒先の未来はつくることができます。学校の教員として、今回の想定外の出来事を自分事に変えて、これまでの教員としての自分を問い直しませんか。もし、授業中や休み時間に同様のことが起きたら、教員の力ですべての子どもの命を守り切ることなどできないのですから。

東日本大震災の教訓から

2011年の東日本大震災時に私は1人で職員室にいました。大阪なので揺れは東北とは比べものになりませんが、大きな揺れを感じました。子どもたちはみんな教室にいて、5時間目が終わろうとする時間でした。その瞬間、(私は校長としてすべての子どもの命を守れない)と感じたのです。また、どれだけ避難訓練をくり返しても、想定外の出来事に対応できるわけがないことも思い知りました。

その時から、「すべての子どもの命を守り切る」ための学校づくりはどうすればよいのかを、子どもも大人も大空小のみんなで問い直し続けてきました。

「世の中いつ何が起こるかわからんで!」

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
連載
木村泰子の「学びは楽しい」【毎月22日更新】

人気記事ランキング

教師の学びの記事一覧

フッターです。